岸田文雄内閣総理大臣が所信表明:なぜ首相はアフリカのことわざを繰り返したのか

国会が開催され、岸田文雄内閣総理大臣が所信表明を行いました。

所信表明演説とは、「政府の長が施政に関する考え方を明らかにするために行う演説」であり、つまり今後の国家の運営に関するビジョンを語る場となります。

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エラー|NHK NEWS WEB

成長と分配の好循環による新しい資本主義や国民を守り抜く、外交・安全保障といった内容が語られましたが、あまり具体的な話がなかった点が残念でした。

その中で、私が気になったところを挙げると、

兼業、副業、あるいは、学びなおし、フリーランスといった多様で柔軟な働き方が拡大しています。大切なのは、どんな働き方をしても、セーフティーネットが確保されることです。働き方に中立的な社会保障や税制を整備し、「勤労者皆保険」の実現に向けて取り組みます。

という部分です。

コロナ禍で、特に非正規の方の仕事が大きく減少し、実質的失業状態の方は150万人をこえるとされています。また、フリーランスという働き方が想定されていない支援策も多く、改めて多様な働き方に対応できる社会制度のあり方が必要だと思ってきました。

東京都では、非正規を正規に、という取組を行っていますが、そもそも論として、正規や非正規という分け方自体がナンセンスではないかという問題提起も度々行ってきたところです。

どんな働き方であっても、安心して暮らし、学び、挑戦できるセーフティネットの構築は重要であり、期待したいです。

もう一つ印象的なのは、

早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め。

というアフリカのことわざを繰り返していたことです。

新型コロナを乗り越えるために、みんなで力を合わせようと言いたいのだと思いますが、その本当の意味は、場面ごとに適切なチームで事に当たれ、ということのはずです。

新型コロナのような災害への対応においては、みんなで議論している時間は残念ながらありません。少数精鋭で素早く進み、もし間違えた道とわかれば、すぐに出直すような意思決定が必要になります。

岸田総理大臣の人柄をお聞きするに、みんなで進む能力が非常に高い方であると思われます。一方で、新型コロナが明るみにしたのは日本の制度疲労であり、時には、まず自らが先陣を切って、リスクを取りに行く姿勢が求められると思います。

コロナ禍という転換点、岸田総理のかじ取りに注目していきたいと思います。

岸田文雄氏公式サイトより