今週のつぶやき:踊る株価の向かう先と衆議院選

コロナ関連のニュースが明らかに減ってきました。金曜日の感染者数は531人(日経、午後8時現在)。各県、地方では独自の飲食店支援キャンペーンなど続々出てきており、正常化に向かっているように見えます。「冬にはまた波がやって来る…」という声もありますが、状況は改善しているように見えます。飲み薬の治療薬も出ることで1年9か月に及ぶ人類の戦いのトンネルの向こうが見えてきたと思いたいです。

では今週のつぶやきをお送りします。

踊る株価の向かう先

正直、北米市場は一部銘柄は熱狂的株価上昇で飛びすぎの感もあります。私はカナダ国内の投資が主流ですのでポートフォリオ上、オイル、ガス、資源関連銘柄は外せないところですが、ここにきて異次元の上昇過程に入っています。また、2-3週間前にカナダドルは米ドルと共に上がる、と申し上げましたがそのトレンドはより鮮明になっています。何が起きているのでしょうか?私には回遊するお金がそこに回ってきてるとしか申し上げられません。そういう意味では非常に不健全な相場つきです。

またこれも2-3週間前に予言しましたが、ビットコインは吹き上げました。今の材料は来週にもアメリカで暗号資産のETFが許可されそうだということ、そして暗号資産が着実に市民権を得ていることがあります。キャシーウッド氏も手を出しています。テスラ社はビットコインでぼろ儲けしています。ここにも回遊するマネーが一気に流れ込んでおり、値動きについていくという展開かと思います。

私は実体経済とは結構乖離しつつあるとみています。人々の懐具合は悪くはないですが、フローの経済ではなく、アセットの経済になっている点においてアメリカが利上げを本気で意識し始めたらボディーブローのように効いてくるように思えます。その一方でコロナからの回復は世界規模で起きている中、サプライチェーンの寸断がボトムネックです。アジア物流の大拠点、釜山がマヒ状態だけど日本は指をくわえているだけというのも寂しいものです。

さぁ、衆議院選

先日の総裁選の際も公開討論会が多いなと思ったのですが、今回も党首の討論会が頻繁に開催されています。あのようなフラットな討論が企画されるとプレゼンの差が出ます。その中で私は給付金についての各党の考えを拝見したのですが、差がない、これが正直なところです。給付金の代案やほかのオプションはなく、どの党も何らかの給付を主張しています。これ、正しい討論会でしょうかね?「お前がやるなら俺もやる」ではなく、「お前がそっちなら俺はこっちだ」という意見を聞きたかったです。

この衆議院選挙、果たして盛り上がるのか、というのも私の着目点です。かなり投票率が悪い、そんな気もします。理由は各党の政策の差が少ない上に岸田首相の手腕がまだ何も見えていない状況です。とすればまずは岸田氏のお手並み拝見となるでしょうから野党が共闘しても何に対して声を上げるか微妙だし、弱小政党はコアな支持層以外は離反する可能性すらあります。岸田政権の総合的な評価は私は当分しないつもりですが、正直、ちっとも面白くないけれどバランスよい運営をしそうだという期待感はあります。

これは野党からするとやりにくい相手でしょう。立憲がしきりにアベノミクスを引き出していますが、自民党を安倍政権と結びつけることによるイメージ色をつける戦略です。しかし岸田氏のスタンスはアベノミクスとは違うし、枝野氏の「まずは相手を罵り、叩く」戦法は正直、聞いていて苦しくなるんです。人間が貧相に見えます。もっと正々堂々と相手の批判ではなく、自己主張してもらいたいです。野党は「与党批判党」から脱皮することをまずは見せてもらいたいと思います。

ブログを書いていて思うこと

私には一種独特の割り切り感があります。かつて49人の敵がいても51人の味方がいれば勝てると思っていました。小学校の時からの教えで今でも基本はそうです。しかし、アメリカの上院あたりを見ていると49対51の戦いは果たして最良の判断をもたらしているのか疑問視に変わりました。そこで思ったのが、賛同する味方は少なくなっても信念は貫くべきなのかもしれないと。

私は海外在住で顧客も95%以上がローカル相手で誰にも遠慮する必要もなく、完全実力勝負で生き延びてきました。サラリーマンから独立した時、同僚や当時の仲間とはbon voyageとなり完全孤独に陥った時も「ならば、一人で勝負する」とむしろ燃えました。私のブログが好き勝手書いているのもそのあたりの影響もあります。当然、賛同する人、批判する人いろいろですし、これだけ日替わりメニューで国際、経済、社会をカバーすれば「おまえ、それ、おかしいだろー」という内容も大いにあります。

しかし、私はブログをお金のために書いているわけではなく、最近の社会動静について「お前はどう思うのだ」ということに真摯に向き合った私の意見であり、政治家のように八方美人になり迎合する必要もありません。社会は基本的に二極化するものです。右派と左派、金持ちと貧乏、男と女…きりがありません。ほぼ全ての人には10や20の「所属」があるのです。それが全部一致することは確率論からすればまずないです。夫婦だって30年一緒でも意見の相違だらけでしょう。しかし、この考え方の差が世の中を楽しくさせているのです。そして「おまえ、またそんな馬鹿なことを書きよって」と言われると思わず「でへへ」と頭をかいている自分がおります。皆さん、ありがとー。

後記
眞子さまと小室さまが先々NYに立たれるにあたり現地の日系コミュニティがNY総領事館と共に必死の受け入れ準備をしているという報を目にし、いたく感動しています。私も当地の経済10団体の議長という立場で日系という視点で常に物事をとらえ、案件によっては皆で手を合わせて頑張ろうと声をかけています。世論の声とは別に実際に受け入れる側にたったその準備や努力という見えない協力に拍手喝采です。

では今日はこのぐらいで。

 

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。