どこにも旋風が起きそうにない衆院選

今は、自民党総裁選の余韻がまったく残っていませんね

多少はご祝儀があるのではないかと思っていたが、今はあの自民党総裁選の熱気がどこにも感じられない。

決して醒めているわけではないと思うが、衆議院が解散になっても、衆議院総選挙の公示が目前に迫っても、どこにも旋風が起きそうにない。

やはり上田新党が腰折れしたり、ファーストの会が座礁したり、などなど躍動感を失わせるようなことが相次いでいるので、思っていたほどには選挙の熱気が伝わって来ない。

それでも、皆さんがジッと注視している感じはある。

どんなドラマが始まるだろうかな、というくらいの感じである。

ドラマ作りには参加しないで、ただ見ているだけ。

まだ大方の国民に参加意識を持たせるほどの動きにはなっていない。

各政党から候補者の名簿が発表されているが、自民党の公認候補者発表以上に世間にある種のどよめきをもたらすようなものはない。

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あ、そう。

その程度でしかない。

もう少し世間の関心が集まるかと思っていたが、今の状況ではいつもの投票率くらいで終わってしまいそうである。

まあ、組織票頼みの陣営にとってはそれで一向に差し支えないのだろうが・・・。

自民党に代わり得る第三極の保守中道政党は維新か国民民主か

今の段階での国民民主は所属国会議員の数が少な過ぎて、今のままでは自民党に代わって政権を担い得る政党だ、などとはとても言えない。

維新にしても然り。

自民党に代わって政権を担い得る政党に成長していくためには、まずは今回の衆議院選挙でそれなりに議席を獲得する必要があるが、現時点では候補者の数が少な過ぎる。

来年の参議院選挙が鍵になると思っているのだが、そのためにはいずれの政党ももっと候補者を各界各層からリクルートする必要がある。

維新の課題は、やはり大阪維新の会から日本全国を対象にした本物の日本維新の会に如何にして脱皮・成長するかだろう。

かなり努力している様子は見受けられるが、維新で当選した国会議員はしばしば物議を醸してしまうような言動をしがちなところがあり、関西のお笑い系のような雰囲気が付き纏っているので、もっと洗練していく必要があるように思っている。

そういう意味では、国民民主党の方により大きな潜在的可能性がありそうな気がしているが、如何せん目下の政党支持率が低過ぎる。

懸命に努力しているのは分かっているが、それなりの結果を出すにはまだ相当の時間が掛かりそうである。

可能性はあるんだがなあ、といったところか。

それでも、最近国民民主党の支持率が上がってきている、という報告もあるので、まずは今回の衆議院選挙の結果を見てみることだ。

比例区での得票率がどの程度か、ということで、国民民主党への期待度の大きさがある程度は量れるはずだ。

今の段階では、可能性はありますよ、くらいに受け止めておかれたらいいだろう。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2021年10月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。