日本社会の急激な変化で益々大切になる「仲間」

monkeybusinessimages/iStock

人生の後半戦で豊かな人生を実現するには、「仲間」「健康」「お金」という三種の神器が必要だと1年半前のブログ(豊かな人生に必要な「3種の神器」は健康・仲間・お金)に書きました。

12月1日の日本経済新聞電子版に掲載されていた2020年の国勢調査の結果を見ると、この考え方に更に強い確信を持ちました(図表も同紙から)。

日経新聞電子版より

まず、健康とお金は、年齢に関係なく豊かに生きるためのベースとなる資産(アセット)です。

高齢者になれば、健康を害することも増えてきます。持って生まれたものもありますが、健康診断や歯科検診などで、心身の健康管理を若いうちから計画的に行うことが大切です。

また、お金に関しても健康と同様、安心を手に入れるためには若いうちからの準備が必須です。20代から資産形成を計画的に正しい方法で続けていれば、40年近い年月によって、必要なお金を手に入れることができます。

今回の国勢調査では、人口減少と高齢化という従来の流れが更に加速していることが示されましたが、高齢化の中で特徴的なのは、高齢者の単身世帯の数が急激に増加していることです。今や高齢者5人のうち1人が一人暮らしという状態です。

そして、結婚できない人、結婚しない人、結婚していた人も増えています。50歳時点の未婚率は、男性が28.3%、女性は17.9%となっています。これは、20年前の12.6%、5.8%というそれぞれの数字から大きく増えています。この世代がこれから高齢者になれば、高齢者の一人暮らしの数は更に加速することが予想されます。

日本の財政状態がこれから悪化していけば、福祉サービスのレベルは維持できず、高齢者にも自助努力が求められるようになります。一人暮らし高齢者が孤立しないための巡回サービスなどの手厚いケアはいずれ望めなくなります。そうなると、頼りになるのは「仲間」です。

高齢のお一人様が増えれば増えるほど、彼らを繋ぎ支え合う人間関係が重要になっていきます。かく言う私も、これは他人事ではありません。

「せっかくですから思いきり楽しんじゃいましょう!」と毎日心から言えるライフスタイルをシニアになってからも維持するには、やはり「人生の三種の神器」が必須。国勢調査の記事は、そのことを改めて思い出させてくれました。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年12月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。