食事やワインの味わいの「8割は気分」

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私のSNSを見ていると、毎日おいしいものばかり食べて遊んでいると思うかもしれません。

確かに有名なレストランに出かけたり、高級なワインを飲んだりすることもありますが、B級グルメも大好きですし、安いワインを楽しく飲むこともあります。また、1人で地味に食事をしていることも意外に多いのです。

1人7万円以上する高級和食店に行くこともあれば、500円位のファーストフードで済ませることもあり、1本1000円のコンビニのワインを買ってきて家飲みすることもあれば、ワイン好きの仲間と数十万円のワインを1時間で空けてしまうこともあるという訳です。

様々な雰囲気や価格のお店に行って感じた事は、食事やワインがおいしいかおいしくないかの基準は、食材やワインのクオリティーよりも大半は「気分」によって決まるということです。

もちろん、旬の高級食材を使い、料理人が巧みな方法で素晴らしい食事に仕上げてくれる一流店は美味しいお店が多いですし、行ってみたいと思わせる魅力があります。

しかし、たとえどんな高級店であっても、好きでもない人と付き合いで行ったり、人の悪口や会社の愚痴を聞きながら食事をしても、テンションは下がり美味しく感じなくなってしまいます。

逆に、大衆居酒屋であっても、気の置けない仲間たちと馬鹿話をしながら楽しく飲めれば、時間を忘れて満足することができます。

ワインも同じです。たとえ高品質の高級ワインでも、それをどんなグラスを使って、誰とどこで飲むかによって、その価値は大きく変わります。有名なワインと言うだけで、そのクオリティーを盲信してワインを飲んでいる人を見ると、なんだか興ざめしてしまうのです。

それよりも、例え無名のワインでも、自分と同じような趣味嗜好を持った人と、感動をシェアする方が満足度は高いのです。

大切な事は、常に「どうやったら気分が上がるか」を真剣に考え、そのような状況に自分を置くように努力することです。

気分が上がらないのは、周囲の人が悪いのではなく、その状況を選択して自分の責任。だから、毎日を気持ちよく過ごすためには、自らの日々の地道な努力が必要。このことをいつも忘れないようにしたいと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年12月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。