贅沢暮らしの独身女性には愛人がいるという「昭和感覚」

私の友人の独身女性経営者が、SNSにこんなことを書いていました。

大して働いてなさそうなのに贅沢そうな暮らしをしていると、「どうせ金持ちなオヤジの愛人してるんだろう。」とかボロクソ言う人がいるのですが、それ、考え方が古いし、ただのやっかみに聞こえます…。(笑)(原文のまま)

確かに、彼女のSNSには旅行や豪華な外食の写真が頻繁にアップされています。いわゆるキャリアウーマンのように、フルタイムでガツガツ仕事はしてなさそうだし、どこで稼いでいるのだろうと不思議がられているようです。

kokouu/iStock

彼女がどのようなビジネスをしているのかは、私もよく知りません。暗号資産の専門家としてメディアに登場しており、投資がコアビジネスなのかもしれません。

コロナ禍で経営悪化に苦しむ経営者がいる一方で、ピンチをチャンスと捉えて事業を拡大したり、投資によって資産を増やした人が、私の周りにたくさんいます。

投資に関して言えば、暗号資産、株式、不動産などは、どれもここ数年で大きく値上がりしています。

これらの値上がりによる収益やインカム収入は、自分が稼ぐというより、最初にセットアップすれば、後はお金が稼いでくれる「仕組みからの収益」です。

ところが、投資で稼いだとしても、そんなお金はあぶく銭という偏見が、未だに日本人には根強いようです。

でも、株式投資は、資本主義社会に資金を提供し、イノベーションや経済成長に貢献できる行為です。配当や値上がり益は企業の成長からの果実です。

また、不動産投資も生活や事業の基盤となるインフラを提供し、その感謝の印が家賃と考えることができます。

汗水たらして働くことも尊いですが、投資を通じた価値提供も同じように価値ある仕事といえるのです。

むしろ、誰にでもできるやりたくもない労働をしているよりも、世の中の変化から価値を見いだしマネタイズする投資の方が、圧倒的に収益性が高くなることが多くなっています。

いずれにしても、「労働=尊い 投資=悪いこと」という考え自体が、既に時代に取り残されているのです。

また、働いているように見えないのに贅沢暮らしをしている独身女性にはサポートする男性がいると思い込むこと自体、女性蔑視の昭和な発想です。

そもそも、人がどのように仕事をし、どのような生活をしているかに、あれこれ勝手な想像をして、嫉妬してディスる時間があるなら、自分の価値を見いだすことに使うべきです。

自分の関わりの無い人がやっていることに、自分の価値観を押し付け、評論家のように意見するのは、空虚な時間の無駄遣いです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年12月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。