領収書の宛名は「上様」ではダメなのか?

会社を辞めて、自営業になった友人が「領収書ください」とお店で言えるのが嬉しいと語っていました。独立して仕事を始めると、この領収書との付き合いが深まります。

私も会社の経費として領収書を受け取ることがあります。

この領収書ですが、不思議なことがあります。

それは、宛名欄に書かれる「上様」という名前です。

なぜ「上様」という略称の宛名が領収書で広く使われるようになったかには諸説あるようです。

「領収書の宛名はどうしますか?」と聞かれたとき、「上でお願いします」と言えば、毎回自分の名前や会社名を伝えなくて良いのは便利です。

しかし、例えばスターバックスでは、領収書の宛名は上様では発行してもらえません。

領収書の作成を依頼するときは、宛名を紙に書いてスタッフに手書きしてもらう必要があります。

なぜ上様で良い場合と、受け入れてもらえない場合があるのでしょうか?

宛名が会社名や個人事業主の固有名詞になっていないと領収書として認められないというルールが法律上あるわけではありません。

宛名が上様だと、本当に自分宛の領収書か特定できないからという理由かもしれません。しかし、例えばクレジットカードで支払いを行えば、利用明細に自分が使ったことを示す履歴を残すことができます。

また、スタバのように宛名までしっかりと確認して、厳密な領収書を作成をするお店もあれば、宛名だけではなく、日付や金額さえ全て白紙で渡してくるワイルドなお店もあります。

本来は領収書に自分で日付や金額を記入するのは認められていないと思うのですが、このような領収書はどのように処理したら良いのでしょうか。

領収書の扱いに関しては、このように人によって対応が異なり、何が正しいのかは、よくわかりません。

領収書をどのように処理するかに関しては、最終的には税理士に判断してもらっていますが、これもどの税理士に依頼するかによっても、その解釈はずいぶん変わってくるようです。

曖昧なルールで処理されている領収書という存在は、本当に不思議です。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年1月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。