会社員や公務員は組織に所属するメリットを最大限に活用すべき

副業や独立が社会人の大きなテーマになり、会社員や公務員であることには逆風が吹いていますが、組織に所属している大きなメリットもあります。

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最大のメリットは、勤務先の看板から得られる「お金を借りる力」です。

私も会社員の時は問題なく借入ができましたが、自分で仕事をするようになってしばらくの間は、銀行からお金を借りられなくなりました。役所や企業に勤務しているのと、自分で仕事をしているのでは、銀行の信用度が異なるのです。

しかし、多くの日本人はせっかくの「お金を借りる力」を投資ではなく消費に使っています。住宅ローンを組んでマイホームを購入したり、自動車ローンを組んでマイカーを手に入れたりという活用法です。

ローンを組んで手に入れるマイホームやマイカーは、将来の自分の収入を先に使ってしまうのと同じです。イソップ物語の「アリとキリギリス」で言えばキリギリスの生活パターンです。

一方で、お金を借りる力を使って、不動産に投資するのは、現状の自分の収入を将来の資産のために積み上げているのと同じです。こちらはキリギリスではなく、アリの生活ということができます。

個人差はありますが、信用力のある人であれば、通常の提携ローンの借入金利は1%半ばです。不動産の賃貸利回りは4%前後あり、金利差は2.5%となります。これは2000万円を借入すれば、金利差から年間50万円をマネタイズすることができることを意味します。「信用力のマネタイズ」です。

不動産には価格下落リスクが存在しますが、年間の下落が50万円以下なら、金利差のリターンの方が資産価値の下落より大きくなります。10年経てば500万円以上値下がりしないかぎり損はしないという計算になります(大まかな概算です)。

お金を借りる力を何に使うかはその人の価値観です。お金を借りる力の強い公務員や大手企業社員が、何の疑問もなくせっかく持っている自分のお金を借りる力を「投資」ではなく「消費」に使ってしまっているのは、勿体ない気がします。

2つの選択肢を比較して、納得できる選択をするのが、後悔しない人生に大切なことではないでしょうか。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年1月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。