やはり、恐れていたことが起こった。大失敗の“世田谷モデル”に懲りず、いや、だからこそ異常に執着するのか、新型コロナの無症状の陽性者をまたぞろ炙り出すために、世田谷区は抗原検査キットを無料でバラ撒き出した。
区内の公園や駅頭などに加え、2月からは薬局での配布も開始予定。合計24万キットを配ると言うのだ。保健所のマヒや病床逼迫はもとより、医療現場ではキット不足を危惧する声が上がるなか、保坂区長の暴走がまた始まった。この中途半端なバラ撒きは、世田谷区民92万人全員に行き渡らない上に、独り占めする人もいることから、途中から1人3キットに制限。パニック状態になった区民が長蛇の列を成し、役所は後手後手の対応に。
すで医療現場からは悲鳴が上がっており、世田谷区医師会が危機感を表明。(コチラを参照)。しかし、こうした声はガン無視である。
不安で不安で仕方ない無症状者が医療現場に押しかけ、有症状者への検査、診療の妨げになっている。医師会は「無症状であれば、単に検査だけを急がず基本的な感染予防を引き続き行ってください。」と呼びかけている。“世田谷モデル”のときから、私は一貫して主張してきたが、検査はあくまで有症状者に行うべきなのだ。但し、濃厚接触者と認定された無症状者は、保健所などの行政検査を受ければよい。
そもそも、この検査キットを1回使って陰性だったからといって、それで確定とはならない。現に春風亭昇太さんは、陰性だったのにPCR検査で陽性に。陰性証明に使われて感染拡大したらどうするのか。
さらに、名古屋では検査キットや試薬が不足しているという。
世田谷区も早晩こうなる恐れがある。あるいは、世田谷区だけで買い占めるとでもいうのだろうか? 保坂区長が区民の不安に付け込んで実施する、パフォーマンスのためのトンデモ施策を断じて許すわけにはいかない。“世田谷モデル”に引き続き、徹底追及していく。