いわゆる落選運動の有効性

色々なビラを撒いても、そのビラを見て投票行動を変える人は案外少ない。

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落選運動が効果を発揮するのは、それぞれの選対の幹部やいわゆる地元の有力者やオピニオンリーダーの行動を左右するような、いわゆる胸に刺さるような事実が具体的に適示されていて、実際に選対の幹部や地元の有力者やオピニオンリーダーが投票行動を変える時であって、一般の有権者は選挙中に流される様々な情報は殆ど無視してしまうものである。

ある候補者の選対の重要幹部が選対組織から離れて、対立候補の応援を始めた、などというニュースが流れれば、確かに選挙情勢に激震が走ることになる。

地元の有力者が相手候補の選対入りをした、などということが明らかになると、それだけで100票以上が動いてしまうことがある。

いわゆるスキャンダル情報については、大方の有権者は半信半疑で受け流してしまうので、いわゆるスキャンダル情報が選挙結果を左右するまでになるのにはそれなりの時間を要するものである。

そういう意味では、普通の落選運動は労多くして功が少なし、というところだろう。

選挙を大きく左右する可能性が高いのは、やはりマスコミの報道である。

特にテレビ局。

マイナス情報は、テレビの画面で画が出るだけであっという間に有権者のお茶の間に拡がってしまう。事実かどうかに関わりなく。

ご参考までに。

郷原さんの個人的な落選運動では、選挙結果を左右するほどの影響力は発揮出来なかったのかしら

こういうことは実際にやってみないと分からないことなので、私は郷原さんの試みは画期的であり、いずれ同様のことをやろうとする人が出て来るだろうと思っている。

全国にその存在が知られている郷原さんがおやりになってあの程度の結果だったということで、落選運動は労多くして功が少ない運動だなあ、などと即断されない方がいいだろう。

郷原さんのいわゆる落選運動はジワジワと効いてくるもののようだ。

運動期間が短い選挙では、実際に選挙結果を左右するほどの力を発揮しなかったが、選挙が終ってから段々効果が出て来るもののようだ。

選挙中は半信半疑で、結果的には有権者の投票行動には殆ど影響を与えることがないまま終ってしまったのだろうが、選挙が終ってから様々な問題が明らかになり、郷原さんが落選運動中に適示した様々な事実と符合するような事実が報道されるようになって、有権者の間からポツポツと疑念が表明されるようになるものである。

今明らかなのは、昨年の横浜市長選中に郷原さんが落選運動で指摘した様々な事実の傍証となるようなことがSNSを通じて流れてきている。

こういう流れがどこまで大きくなるのかは分からないが、郷原さんが投じた一石が結構大きかったことが確認される日が来るかも知れない。

目下は、自公推薦の現職の壁は厚かった、と総括するくらいでいいのだろうが、半年、1年後の評価がどうなるかは分からない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2022年1月23日・24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。