北京五輪開会式が行われた。素晴らしい。東京はVIPの数でも、観衆の数(定員の三分の一くらい入れていたらしい)でも、演出でも完敗。東京五輪を無観客にするなどといろんな意味で妨害した、あまり使いたくない言葉だが反日日本人と習近平の高笑いが聞こえる。
そして腹が立つのがNHKの報道姿勢。アナウンサーも東京大会の時はお葬式のような口調で喜んではいけない、開会が良かったという印象を与えないと必死だったが、北京ではウキウキで喜び爆発、絶賛の言葉を惜しまない。
この違いは何か。明らかに東京の時は地味な口調にするように指示が出たのだろう。それなら、北京でもそれより地味にしろというのが普通だろう。ところが、こっちは、明るくやれという指示を出したのか?
こういうのは、トップの判断がされているはず。
今大会の開閉会式では2008年夏季北京五輪開閉会式で総監督を務めた、世界的な映画監督のチャン・イーモウ氏が総合演出。開会式は1時間40分程度と短かくして、実に流れが良い。
東京五輪の放送の出だしは、なんとも冴えなかったが、こちらは、「二十四節気」をテーマにした映像のカウントダウンから始まり、スタジアム中央では草原の草が揺れ舞い上がるような演出で、2月4日の「立春」に併せた。
たんぽぽの綿毛が舞い上がり、スタジアム中央に浮き上がった氷から五輪のエンブレムが現れる。
組織委員会会長と、バッハの挨拶は少し長いのが玉に瑕。その後は、東京のように妙に世界へのいじましい配慮などでせずに最終ランナー二人のうちひとりに少数民族をさりげなくいれる。よたよたの長嶋茂を出したり、アフリカ系とのハーフの大坂ナオミ東京のようなあざとさがないのが好感できる。
SNSを見ると、東京五輪開会式からのぱくりだろうとかいう感想もあるが、東京五輪にパクりたくなるような何があったか。レベルがぜんぜん違う。完敗である。
そして、VIPについては、日米などがボイコットとかいっても、結局、世界各国からVIPが集まった。尾身茂と小池百合子などのおかげで日本は中国に五輪外交戦で惨憺たる完敗となった模様。陛下一人だけの出席にして、VIPの接遇もろくにさせなかった宮内庁長官の責任も大きい。主な出席者は以下の通り。
①〈ロシア〉ウラジーミル・プーチン大統領
②〈カンボジア〉ノロドム・シハモニ国王
③〈シンガポール〉ハリマ・ヤコブ大統領
④〈カザフスタン〉トカエフ大統領
⑤〈キルギス〉サディル・ジャパロフ大統領
⑥〈タジキスタン〉エモマリ・ラフモン大統領
⑦〈トルクメニスタン〉グルバングルイ・ベルドイムハメドフ大統領
⑧〈ウズベキスタン〉シェフカト・ミルジヨエフ大統領
⑨〈エジプト〉アブデルファタハ・シシ大統領
⑩〈サウジアラビア〉ムハンマド・ビン・サルマン皇太子
⑪〈カタール〉タミム・ビン・ハマド・サーニ首長
⑫〈アラブ首長国連邦アブダビ首長国〉ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子
⑬〈ポーランド〉アンジェイ・ドゥダ大統領
⑭〈セルビア〉アレクサンダル・ブチッチ大統領
⑮〈ルクセンブルク〉アンリ大公
⑯〈モナコ〉アルベール2世公
⑰〈アルゼンチン〉アルベルト・フェルナンデス大統領
⑱〈エクアドル〉ギジェルモ・ラソ大統領
⑲〈モンゴル〉ロブサンナムスライ・オヨーンエルデネ首相
⑳〈パキスタン〉イムラン・カーン首相
㉑〈ボスニア・ヘルツェゴビナ〉ゾラン・テゲルティヤ首相
㉒〈パプアニューギニア〉ジェームズ・マラペ首相
㉓〈韓国〉朴炳錫(パク・ビョンソク)国会議長
㉔〈アゼルバイジャン〉アリ・アフマドフ副首相
㉕〈タイ〉シリントン王女
総合評価すれば、北京五輪開会式を85点とすれば東京のそれは20点くらいである。