ウクライナ情勢の緊迫やロシアへの厳しい制裁を背景に、ガソリン価格の急激な上昇が続いています。国会では原油価格の高騰対策としてガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除の議論に熱が帯びています。
元売向けの補助金では分配に大きなゆがみが発生すると思われますが、とにかく恒久的な減税につながる決定は回避したいようです。
玉木氏は与党に揺さぶりをかけています。
焼け石に水という見立ても。日本円も安くなっているので、100ルーブルはだいたい105円です。
ガソリンスタンドの店員さんに八つ当たりするのは慎んでほしいと思います。
資源エネルギー庁の石油製品価格調査によると、2月28日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、172円80銭でした。
2008年以来、13年5カ月ぶりの高値となりました。このときの要因は、需給のひっ迫、地政学的な要因、投機マネーと言われていました。
■
アメリカでも、2005年のハリケーン・カトリーナ以来の高騰を続けるガソリン価格と問題視されています。2008年の最高値も近いうちに超えるとの見方です。
アメリカのエネルギー省によれば、12月の米国の石油輸入量に占めるロシアの石油の割合はたった2%ですが、石油は世界の商品市場で価格が決まるため、ロシアが世界の市場に与える影響はあらゆるところに及んでいるそうです。
今のところロシアの石油輸出は制裁を受けていませんが、ロシアの銀行との取引が制裁によって成立するかどうかが不透明なことや、購入した石油を積んでくれるタンカーがロシアの港に寄港するかどうかが不安視されることから、トレーダーはロシアの石油の購入に消極的になっているため、石油価格が上昇しているとの見方があります。
■
また、欧米を中心とした制裁の強化で、ロシアの物流も麻痺しています。EU各国の税関は、ロシア向け貨物に港湾を使用させず、同国のコンテナ取扱量の多くを占める海路が実質的に停止しています。
ロシア経済への影響は甚大ですが、ロシアの希少資源(ネオンなど)や穀物(小麦など)の輸出に支障が出るため、世界経済にも影響が出てきます。
新年度は、もともとあった構造的な要因である需給のひっ迫だけでなく、地政学的な要因も重なって、さまざまな物資の値上げが続きそうです。