ロシア人船主の豪華ヨットを復讐で沈めようとしたウクライナ人機関士

ロシアのオリガルキーが船主の豪華ヨットが沈没寸前

先月28日、マジョルカ島に停泊していたロシア人が所有する豪華ヨットをウクライナ出身の船員によって沈められそうになった。ロシア軍のウクライナ侵攻への復讐だというのが理由だ。

この豪華ヨットの船名レイディー・アナスタシアは全長48メートル、5つの船室を備えた10人乗りで、マストにはカリブ海のセントビセント・グレナディーンの旗を掲げている。2001年に建造され、価格は700万ユーロとされている代物だ。(2月28日付「エル・パイス」から引用)。

船主はロシア人アレクサンダー・ミジェフ氏(61)でロシア軍向けの武器を輸出している国営企業ロソボロエクスポートの経営に携わっている人物だ。

このヨットに10年前から機関士として乗船していたウクライナ人タラス・オプスタチュク氏(55)は携帯電話でロシア軍のミサイルがウクライナの住民が住んでいる建物を破壊している映像を見ていた 。それはこの機関士が住んでいた建物に似ていた。その時、彼は悔しさで彼が仕えているヨットの船主が正にロシアで生産された兵器をロシア軍に供給しているということから復讐の念に駆られたというわけである。

そこで彼が早速行動に移ったのは、機関室に通じるバルブを緩め海水を入れる作業を始めたのだ。燃料の海上への汚染は避けるべくそのバブルは締めた。

同じく乗船していた二人のウクライナ人の船員には沈没させる意向を伝え避難するように指示した。この二人の船員が警察に通報してヨットが沈没するのは避けることができた。

次回は沈めてやると誓った

それで彼は警察に拘束されたというわけであるが、事前に地元ディアのウルティマ・オラからのインタビューに次のように答えた。

「ヨットを沈めることに失敗はしたが、その日にポーランドのワルシャワに飛んで、そこからウクライナに帰国して軍隊に仕えるつもりだった」「勿論、私は戦う意向だ。入国して最初の都市で軍本部を探し、そこで私が仕えることができるか尋ねるつもりだった」と述べ、「私自身に言い聞かせたのだが、なぜ仕事が必要なのだ、私の国がなくなるというのに」と語り、「ヨットのチーフ機関士として満足行く仕事で給料も良かった。

しかし、私は国の為に戦うのだ」「仕事は失ったが、それは問題じゃない。私の国を失うことはさせない。私は英雄ではないが、機械に関しては豊富な経験を持っている。武器を持ったこともないが、必要とあらば持つ意向だ」と語ったのである。

そして彼の弁護を務めることになったネウス・カンイェリェス氏にはビデオ電話で「船主のヨットを沈めるという最初の戦いには失敗したが、次回は勝って見せる」と語った。(2月28日付「インフォバエ」から引用)。

一旦警察に逮捕されたが、そのあと条件付きで保釈となった。

愛国心に溢れてた熱血漢の行動であった。