経産省初「需給ひっ迫警報」発令:なぜ電気が足りなくなるとブラックアウトするのか

東京電力は22日の電力需給について、「非常に厳しい状況」だとして、節電への協力を呼びかけています。このため経産省は史上初めて「需給ひっ迫警報」を発令しました。

3月16日の地震の影響で、発電所の復旧が進まない中、22日は気温が下がり、電力の需要が増える可能性があるためです。政府は東京電力管内の1都8県の家庭や企業にできるかぎりの節電に協力するよう呼びかけています。

東京電力はかなり切迫していますが、“お願い”で乗り切れるでしょうか。

需要のピークは夕方になりそうです。他の電力会社からの「電力融通」を含めても、安定供給のための電力使用の予備率「3%」が下回ってしまうことが予想されています。

大停電が起きる可能性がありますし、そうなるとそれこそ人命にかかわります。

原子力規制委・規制庁は、この危機的状況に対してどう考えているのでしょうか。

今回の電力不足は、ウクライナ情勢も脱炭素も関係なく電力自由化によるものです。世界情勢によっては、これからますますひっ迫していく可能性が高いです。

ブラックアウトしてしまうメカニズムは、資源エネルギー庁によると以下によります。

電気は、電気をつくる量(供給)と電気の消費量(需要)が常に一致していないと、電気の品質(周波数)が乱れてしまいます。供給が需要を上回る場合は周波数が上がり、その逆の場合は周波数が下がります。これがぶれてしまうと、電気の供給を正常におこなうことができなくなり、安全装置の発動によって発電所が停止してしまい、場合によっては大停電におちいってしまいます。

2018年9月に、北海道胆振東部地震を端緒に、北海道の発電所が次々に停止したことで、北海道全域の約295万戸が停電するという事態が発生しまた。

電気はあって当然と思っている国民の意識が変わることは難しいと思われます。

水道施設なども停電すれば止まってしまいます。今までライフラインの維持を真剣に考えてこなかったツケを支払うことになってしまいます。

電力の安定供給なくして豊かな生活は望めません。