軍事の素人が将軍様になれる陸上自衛隊という組織

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よく文春もこんな駄文を掲載したものです。これじゃ月間HANADAとか、WiLLと同じレベルですよ。看板雑誌「月刊文藝春秋」の名が泣きますよ。

これのレベルの認識と見識の人たちが千人単位の隊員を率い、巨大な「暴力装置」を動かしているという恐ろしい事実を国民は知るべきです。

「侵略してくる部隊を自衛隊単独で撃退することはほぼ不可能」元陸上自衛隊・中部方面総監が語る日本の“防衛戦略” 徴兵ではなく予想される“緊急募集”とは?

元陸将で中部方面総監を務めた千葉科学大学客員教授の山下裕貴氏のインタビュー記事です。

「侵略してくる部隊を自衛隊単独で撃退することはほぼ不可能」元陸上自衛隊・中部方面総監が語る日本の“防衛戦略” 徴兵ではなく予想される“緊急募集”とは? | 文春オンライン
「陸上自衛隊の定員は即応予備自衛官を入れて16万人、戦車はたったの300両(防衛大綱完成時)です。30年前は定員18万人、戦車が1200両でしたから、冷戦終了後のスリム化で自衛隊の戦力はかなり落ちてい…

陸上自衛隊の定員は即応予備自衛官を入れて16万人、戦車はたったの300両(防衛大綱完成時)です。30年前は定員18万人、戦車が1200両でしたから、冷戦終了後のスリム化で自衛隊の戦力はかなり落ちています。戦車の数だけで言えば、ロシアの1個戦車師団程度の戦力しかありません。陸軍だけで約46万人の兵員と2000両以上の戦車を有している韓国では、日本の陸上自衛隊のことを“軽武装部隊”と揶揄する人さえいる状態。これだけの戦力では、侵略してくる部隊を単独で撃退することはほぼ不可能です

シラフでこんなことを言えるのはある意味大したものです。単に軍事知識が粗末なのか、陸自の予算を増やすためのポジショントークか、その両方でしょう。

毎度申し上げておりますが、最盛期のソ連軍も日本本土に揚陸してくる能力がありませんでした。そしてその計画もなかったわけです。

存在しない脅威があるというのであれば、ゴジラや火星人やガミラスにも備えないといけません。

ロシアの人口は約1億4千万人です。日本より多少多い程度です。その人口から兵員を捻出して、沿海州から欧州に至る、広大な国境線と領土を守らなければないわけです。
全軍を極東に集中できないし、しても日本に侵攻するだけの兵力はない。

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欧州正面をがら空きにして日本の攻めてくるのでしょうか。

1995年の陸自の戦車は1160両、これに対して装甲車は730両に過ぎません。

普通の国では比率は逆になります。戦車さえあれば陸戦兵器勝てると思っているのでしょうか。

日本の陸上自衛隊のことを“軽武装部隊”と揶揄する人さえいる状態。

そういう胡乱な組織を作ったはあなた方でしょう。隊員を減らして近代化を行うという中共ですらやっていることができなかった。戦える部隊にするよりも、連隊長ポストの数を欲しがったからでしょう。

そして他国が5万円で買うような小銃を30万円で平然と買ってきた。「軽武装」部隊になるのは当然です。

敵国の上陸が始まれば、一般市民の被害も出かねない。一般市民の避難が急務だが、山下氏は「早期に住民避難を行う必要があります。作戦準備に入れば自衛隊にその余力はないだろう」と悲観的だ。

「自衛隊は人員や装備が豊富とは言い難いので、敵国の上陸が迫った状況では防御陣地の構築など作戦準備に忙殺されて市民の避難に船や車を出す余裕があるとは思えません。なので住民の避難は主に自治体の役割になります。

国民が避難できない事態などはなんとしても避けたいところだが、防衛作戦とともに住民の避難など自衛隊に期待される役割の多さに比べて、自衛隊の戦力が少なすぎることが問題だと山下氏は指摘する。

これは民間人の避難を手伝ってほしければ予算増やせ、という脅迫みたいなものです。

そもそも陸自は民間人を避難させることは考えていません。怪獣映画の民間人の避難を手伝う自衛隊は「フィクション」です。

これは換言すれば、民間人が逃げ遅れて被害が出ようが、俺達は知らないよ。という話です。沖縄戦のどこが悪いの?みたいなものです。これが「国民を守る自衛隊」の真の姿です。

だからぼくはこのような自衛隊の考え方を揶揄するために、PCゲームの「現代大戦略」で先に民間人を退避させるというシナリオを書きました。

面倒くさい、絶対発生する民間人の存在は「無いこと」として、作戦立案をして、演習場で戦争ごっこするのが陸自の任務です。演習場には民間人はいませんからね。

有事法ができるまで私有地や公共の場所ですら蛸壺ひとつ掘ることができなかった。夜間に弾薬を運ぶこともできなかった。

だから演習の「状況」は布陣してから始まるわけです。実際はその布陣までの計画が重要なのですが、面倒くさいから「無いもの」としているわけです。

だからやっていることはサバイバルゲームと同じです。

日本の軍事費は世界9位ですが、自衛隊は即応予備自衛官等を入れても全部で約25万人、戦車はたったの300両と、島国という事情を考慮しても数が圧倒的に少ないんです。中国人民解放軍は200万人の兵士と5000両以上の戦車を有していると言われているので、いかに少ないかがわかるでしょう。現在の自衛隊の戦力で、侵略してくる部隊を単独で撃退することはほぼ不可能です

その少ない隊員を任務から外して、銃剣道というちゃんばらごっこやかけっこに専任させているのが陸自でしょうが。

人民解放軍が全戦力で日本侵略にくるのでしょうか(笑

これまたインドやその他多くの国境を有して、国内少数民族にも備えないといけないわけです。そういう事情をすっ飛ばしてかくのは情報操作というものです。

敵の機甲部隊が師団単位で揚陸してくることがありえないわけで、戦車は300両でも多いくらいです。戦車や火砲を減らして、サイバー、無人機、精密誘導兵器、センサー。弾薬備蓄などの費用をかけるべきです。

日本では法律上、徴兵はできません。市民兵の組織には法律が必要でしょう。ただ、自衛隊の緊急募集は始まるでしょうね。年齢制限を広げたり訓練期間を短縮したりしたうえで、あくまでも戦闘は自衛官として行うことになると思います。組織的な動きは無理でも銃を撃つだけなら数日で習得できますし、ウクライナでも対戦車砲を撃って逃げるようなことはしていますから。

小火器も弾薬も自衛隊向けですら足りないのに絵空事です。30年も掛けて悠長に小銃調達しているのは戦争なんておこらないよ、と舐めているからです。

そもそもまともなファーストエイドキットすら不要だといっていた組織です。ぼくが追求して何度も大臣や陸幕長に会見で質問し、記事を書いていなければ未だに、ファーストエイドキットは包帯、止血帯各1個のままだったでしょう。

つまり戦争を想定してない、戦争ごっこが任務なのが自衛隊です。ごっこならば税金使わずに自腹でやってほしいものです。

前からの持論ですが、陸自は解体して、海保を国境警備隊にしてそこに組み入れる方がよほど機能するかもしれません。駄目な組織をいじっても無駄です。

そしてこの記事の最後には著者の小説「オペレーション電撃」のAmazonへのリンクが。本を売るためにこのような胡乱なインタビュー記事を掲載したのでしょうか?

【本日の市ヶ谷の噂】
海自の回転翼機の練習機が民間で多用されてる、H135のため課程が終わると民間に逃げる隊員が多いが、空自の女性パイロットも訓練を終わると、民間に逃げる隊員が少なくない、との噂。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2022年3月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。