バーミンガム市交響楽団@シャンゼリゼ劇場。チケットをいただいたので聴きに行ってみる。
20時前、まだ空がこんなに明るいなんて、ついに春が来たんだなぁ、、。嬉しい。
マスク率1割以下。私たちの後ろ2人は揃ってマスクしててありがたい〜。
”バーミンガム市交響楽団”で連想ゲームすれば、100%の確率で”サイモン・ラトル”と返ってくるでしょう。若きラトルはどうやってこの”市立”オーケストラを鍛え上げたのかしら。私は今夜が初体験。
オーケストラの全体的な印象は、端正で理性的。もっともこれは、指揮者のイメージなのかもしれない。
チャイコフスキー”ロミオとジュリエット”に、私は官能と高揚と激情を感じたいけれど(ヤンソンスの演奏が今も耳に残ってる、、)、慈しみと理性が響き渡る。
ストラヴィンスキー”ヴァイオリン・コンツェルト”。これは、ソリストのパトリシア・コパチンスカヤがとっても印象的。バレエ・ルスの舞台衣装みたいなドレスに身を包み、素足(!)を踏み鳴らし、ほとんど踊りながらの演奏。ものすごく嬉しそうに演奏する姿が、いいね。情熱的で野生的でプリミティフ。ストラヴィンスキーの世界観にピッタリ。どんどん音があったまってきて、後半は特にいい感じ。
アンコールは、コンサートマスター巻き込んでの小品と、奇声を発しながら奏でる”ナンセンスな平和の音楽”。
最後は、チャイコフスキー”シンフォニー4番”。この間のコンセルトヘボウに続き、今夜もまた、ロシア名曲プログラムね。
1、2楽章はなんか堅苦しいというかうまく入り込めないけど、3楽章のピッツィカートが、文字通り一糸乱れぬで絶品。この部分含め、規律というか音合わせはどの弦パートもとてもいい。4楽章になるとさすがにかなり感情高まる演奏(この曲だものね)。コンマスの弦の音色が素晴らしい。オーボエ、クラリネット、金管群もお上手。もちろん、普段聴いているオーケストラとはレベルが違いだけれど、少なくとも我が街のオペラ座管よりはずっとよい技術。有機的なドライヴしてくれる指揮者で一度聴いてみたいな。
アンコールに、ウクライナの作曲家(名前聞き取れなかった)の”メロディ”という曲を演奏して、公演終了。
戦争が早く終わり、音楽界にも平和が戻ってきますように。
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2022年3月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。