メゾン&オブジェ(パリ)

インテリア&デザインの世界最大規模の見本市、MAISON & OBJET(メゾン・エ・オブジェ)。

1995年にスタートし、1月&9月にパリ郊外の国際見本市会場で開催されている。ミラノ「サローネ」、フランクフルト「アンビエンテ」と並ぶ、世界最大インテリアアート見本市の一つ。

2000年前後に何度か行ってたけど、人気がどんどん高くなって規模が大きくなり、出展者も来場者もぐんぐん増えて(最初の頃は1200出展&40000弱来場者だったのが、コヴィッド前まは3000を超える出展で来場者は90000ほどだとか)、見て回るの大変になっちゃったので、15年くらいご無沙汰してた。

コヴィッドが一段落した去年9月に復活し、そして今年1月予定は3月に延期して開催。久々に出かけてみる。昨秋から見本市はかなり戻ってきてたけど、コヴィッド怖くて、シラもサロン・デュ・ショコラも農業見本市も全部パスしてたので、個人的にも2年以上ぶりの大規模見本市訪問。

インテリアやオブジェって、見ていてほんとに心地よい。膨大な数とスタイルの中から自分好みのインテリア&オブジェアートを見つけ出すのって楽しい♪ 音楽や絵画同様、”好み”の問題なので、自分好みのアイテムと出会えると、嬉しくなる。

ホテルやレストランのデザインを担う仕事してる人たちって、こういう見本市でワクワクが止まらないのでしょうね。

大きな流れは、もちろんエコロジー。リサイクル素材や木材、紙などを使ったアイテムが多い気がする。そして自然との共存、も。自然環境にコミットしない組織は、どの分野であれ、今後の社会で支持されるのは難しくなっていくのは必然だと思う。

いろんなアイテムがある中、個人的に好きなのは、椅子と照明♪

アイテム展示だけでなく、アイテムを使って空間を丸ごとキュレーションするというかオブジェによるインスタレーションなどの展示スペースも多く、気鋭のインテリアデザイナーやアトリエに夜、ホテル空間を丸ごと作り上げたり、自然とインテリアの共存をテーマにした大掛かりな展示なども素敵で、こちらは、テーマパークに遊びにきている感覚。

メゾン&オブジェは毎年、さまざまなアワードも開催していて、その最高峰が、”デザイナー・オヴ・ザ・イヤー”。今年の受賞者は、フランクラン・アッジ。デザイン事情に弱いので知らない、、。過去の受賞者には、フィリップ・スタルク、パトリック・ジュアン、吉岡徳仁、トム・ディクソンなど、私ですら名前を知っている人たちも多々。デザイン界の登竜門の一つなのでしょうね。

次世代の才能あるクリエーターを発掘する”ライジング・タレント・アワード”という部門も。毎年ひとつの国が取り上げられていて、イタリア、レバノン、中国、アメリカ、フランスに続き、今年は日本をピックアップ。

隈研吾を審査委員長とする日本デザイン界の著名人らによる審査で、7人のアーティストが選出され、会場のとてもよいスペースに特別展示。彼らの作品は、”メゾン&オブジェ”の移動展覧会”デザイン•ダイアローグ”として、春以降、高島屋で開催されるそう。

歩き回ってヘトヘトになりながらいろいろ見た中で、ダントツ気に入ったのは、チームラボとのコラボインスタレーション。おっきな卵みたいなオブジェがたくさん置かれたガラス張りの暗い空間を歩きながらオブジェに触れると、ゆらゆら動きながら色を変える。チームラボの作品って、ワクワクさせてくれてきれいで大好き!

あー疲れた!でも、実に久々の”メゾン&オブジェ”、楽しかった。


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2022年3月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。