御殿山にある三ツ星フレンチレストラン「カンテサンス」にワイン好きの友人達と出かけました。今回は個室を予約し、気の置けない5人のメンバーと楽しむことができました。
スタートのアミューズから、最後の4種類出てくるデザートまで、お料理は予想を超える圧巻の内容でした。
見た目が美しいだけではなく、香りと味わい、そして食感まで変幻自在にコントロールされたコースには隙がなく、極めて高い完成度です。
気さくに記念撮影に応じてくれたオーナーシェフの岸田さん(画像をブログで見る)は、「商売人」というより「職人」という表現がふさわしい料理人です。その所作にまで何かを極めようとする求道者の雰囲気を感じました。
自分の納得できる作品を究極まで追い求め、それが多くの人に支持され高い評価を得る。それだけでも大変ですが、それを維持し続ける事には、さらに大きな努力が必要です。
体調をしっかり維持して、ブレのない仕事を続ける。精密機械のような自己管理を絶やさないストイックな精神力を持ち続けているはずです。
それだけではなく、ゲストの嗜好の変化にも敏感に対応し、世の中の変化に取り残されない先進性も求められます。
深夜近くの帰り際には、最後のお客さんが見えなくなるまで、お店の前にずっと直立不動の姿のままでした。
そんな岸田さんを見て、お料理だけではなくゲストの接客まで、1ミリの隙もない完璧さを追求する真摯な姿勢を見た思いです。クラシックの演奏者のような、正確さの中に芸術性を兼ね備えるような仕事ぶりです。
それを見て、神はディティール(細部)に宿るという言葉を思い出しました。ディティールにまでこだわることこそ、あたかも神が造ったような高いクオリティを実現する原動力になるということです。
カンテサンスというレストランの神もまたディティールに宿っている。ミシュラン三ツ星レストランの真髄のようなお店です。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年3月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。