「日本経済新聞社の良心」と私が勝手に勝手に呼んでいる田村正之編集委員が、個人投資家にとても参考になる記事を書いています。
その記事の中のグラフは、日本を含む先進国の株式指数(MSCIワールドインデックス、配当込み、円ベース)に連動する投資信託に積み立てをしていた場合の、20年間のそれぞれのタイミングでの年間利回りの推移です。(図表を元記事で見る)
20年間の積み立ての最終月を1990年1月から、1ヵ月ずつずらして、その結果を表示したものになります。
これを見ると、全てがプラスのリターンになっており、リーマンショックの直後である2009年1月まで20年間積み立てした最悪のタイミングでも、年利回りはほぼ0% 。
全体の87%のタイミングでは、年間の利回りが4%を上回っています。
この結果は、個人投資家の金融資産を使った資産運用に大きなヒントを与えてくれます。
まず、タイミングを考えず、同じ金額を月次で積み立てていく「ドルコスト平均法」で資産は増えるということです。
また、投資対象とすべきなのは株式。ただし、日本株だけではなく、先進国のグローバルな株式が長期投資に向いていることを示しています。
そして、銘柄選択をする必要はなく、インデックス運用をすることで、安定した投資の成果が得られることがわかります。
まとめると「長期で株式インデックスにグローバル分散させて積み立てしていくこと」で、自動的に資産を着実に増やせる可能性が高いことを示しています。
このように投資で負けないためには、時間が必要と言うことです。今回も20年のデータでの検証です。
しかし、今や人生100年時代。80歳でもまだ20年の時間があります。そう考えれば、このような投資方法をシニアの人が始めても、遅すぎるという事はないでしょう。
投資対象に新興国を含めるべきか、どのインデックスファンドを選ぶべきか、税制優遇の仕組みの活用など、更に細かい検討事項はあります。
でも、このデータから金融資産のシンプルな運用の大原則は理解できると思います。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年4月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。