国内旅行は今のうちに行っておいた方が良い

世界経済フォーラム(WEF)が発表した旅行・観光開発ランキング(2021年版)で、日本が世界第一位にランキングされたそうです。ちなみに、2位は米国、3位はスペインとなっています。

「航空インフラ」「地上・港湾インフラ」といった利便性から、「文化資源」「自然資源」といった観光インフラの厚み、更には「気候変動への対応」といった今どきの項目も入れてスコアリングしたものから、総合順位を算出しています。

観光客にアンケート調査したものではないですから、世界一になったからといっても、世界一観光客が来る訳ではありません。しかし、この結果は日本の持つ観光資源の潜在性の高さを示すものと言えるでしょう。

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現在、日本は外国人の厳しい入国制限を行っていますが、来月以降徐々に規制緩和されていくことになっています。

こうなると、私が恐れるのは、外国人が一斉に日本国内に流れ込み、再び有名な観光地の異常な混雑が始まることです。

すでに日本人も今までの自粛分を取り返すかのように国内旅行に積極的に行く人が増えており、観光地や繁華街は混雑し始めています。

もしこれに外国人が加わると、以前の混雑状態よりも更に激しい観光客の殺到が懸念されます。予約が取りにくくなり、観光地が人で溢れて混雑しているだけではなく、宿泊価格や飲食店の料金も値上がりしていくことでしょう。

円安で海外旅行は日本人にとって高嶺の花になりつつありますが、国内旅行も需給の逼迫から、価格上昇圧力が高まり、高コストになっていきます。

とすれば、旅行好きの日本人がやるべき事は、一刻も早く国内旅行の予定を立てて、今のうちに出かけておくことです。

今ならまだ外国人も少なく、日本人が集中したとしても混雑には限界があります。特に平日であれば、ストレスなく観光することができるはずです。

コロナ渦で深刻な打撃を受けた観光業界にとって、インバウンド需要の復活は恵みの雨のようなありがたい環境です。でも、利用者にとっては急激な需要の集中はあまり嬉しいものではありません。

私も、海外だけではなく国内の旅行にも積極的に出かけようと思っています。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年5月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。