「不動産投資は罰ゲーム」に感じる個人投資家の分断

短期の株式トレードで著名な個人投資家の方が書籍で「不動産投資は罰ゲーム」と書いているそうです。

大した利回りが無く、建物は年々劣化していくし、テナントも思うように入ることは無い。しかも、いずれ大規模修繕も必要になれば、更に利回りは下がってしまう。流動性も低く、売る時に苦労する。何より様々な書類を書いたりするのが面倒だ、というのが、「罰ゲーム」と感じる理由のようです。

MarsYu/iStock

私は短期の株式トレードはやらないので、どちらが魅力的なのかは判断できませんが、自分には不動産投資の方が向いていると実感しています。資産運用は自分に向いていると思う方法でやれば良いだけです。

自分とは異なるタイプの投資家をディスったり、攻撃する必要はありません。自分に合わないと思う取引手法は、スルーすれば良いだけです。人間関係と同じように、嫌いな人を批判したり攻撃するのではなく、関わらないことです。

どうして、他の投資家のことがそんなに気になるのでしょうか?

私も国内不動産投資を始めて8年が経ちました。それまではインデックスファンドを使った積立による資産運用を続けていました。ところが不動産投資を始めると「変節者」「裏切り者」といった批判を受けるようになりました。

でも不動産投資を本格化した今でも、マネックス証券で株式インデックスファンドの積立はずっと継続しています。変節した訳でも、裏切った訳でもなく、単に投資の幅を広げただけです。

株式やFXの短期投資家、インデックス運用で積立して資産形成を目指す長期投資家、借入を使って中古ワンルームマンションを購入する不動産投資家、暗号資産・NFTなどで資産運用する投資家、、、個人の投資手法には様々なものがあります。それぞれの投資家が分断されているように感じるのが、とても気になります。

周りの人が何をやっているかよりも、自分の目的やリスク許容度に合った投資方法を見つけて、それに集中する。ネガティブな「ノイズ」に惑わされることなく、心安らかに投資を続けたいものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年6月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。