アフリカでは干ばつで食糧難に襲われている

アフリカの干ばつのひどさ

干ばつの被害を深刻に受けているアフリカ。ケニア、ソマリア、エリトリア、エチオピアの4ヶ国では既に1400万人が食糧難に見舞われている。今夏にはその数は2000万人まで到達すると予測されている。これから先の半年で4億3500万ユーロの支援金が必要とされている(4月22日付「エル・パイス」から引用)。

以下、ケニアとソマリアの例が挙げる。

ケニアの人口は5300万人。国連の人道支援部門では食糧難で350万人が生命の危機にさらされていると指摘。ヤクバルディ村の最長老オマール・アガ氏(62)は「2020年にはイナゴの大群が植物を食い漁り、コロナ禍で市場は飢えて何も売るものがなくなってしまった」と取材に答えた。350頭の牧畜もこの危機で300頭を失ったそうだ。

村人のハリマ・グーヨ氏(33)は「コメ、ジャガイモ、ティーを口にしている。そして、野菜は手に入る時に食べている。ミルクを手にれるのは一つの挑戦です」と語った。

村で唯一飲み水を汲み上げるもモーターがあるが、それも過剰使用で故障。村人の間で水の奪い合いの争いもあるという。昨年11月からその修理に取り掛かっているが時間がかかる。二つ目の井戸も作っているそうだ。

汚い水を飲むしかない子供たちが病気に

雨が降らないことで汚い水を汲まざるを得ない。3月から5月の雨季に雨が降らない為、村民はその汚れた水を飲まざるを得ない。下痢やその他痛みの病気に冒されているそうだ。それが子供に顕著に見られるという。

昨年だと23州の内の15州で干ばつが激しく野菜の種まきも中断せざるを得なくなった。その影響もあって収穫されたトウモロコシは平常の50%から65%しか収穫できなかった。

ニソロ村のジョセフィーヌ・ケリチョ氏(25)は炭を売っていたが、森林の伐採にブレーキがかかり玉ねぎやその他の野菜の栽培を始めた。ところが水不足でサイズが小さく、それを売って得る一日の収入は平均して僅か1ドル。それで5人の子供を養っているという。食事はコメとジャガイモ。それが毎日の一食の内容だ。そして1週間に2回ほど野菜を加えるようにしている。

今夏までに35万人の幼児が死に直面しているソマリア

ソマリアだと2011年に26万人が餓死したそうだ。その内の13万人が5歳未満の子供。この40年間で最大の干ばつに見舞われており、その上コロナ禍と食料の価格の上昇ということで今夏までに支援がない場合は35万人の子供が餓死する可能性があることが懸念されている。

国連が募って得た支援金は必要とされている支援金の僅か2%の9300万ドルしか集まっていないという。(5月22日付「エル・パイス」から引用)。

皮肉にも、ウクライナ紛争には支援金が集まるが、アフリカの干ばつに取り組むための資金の提供には世界レベルで関心が薄い。