ワクチンを巡る諸々と、新型コロナの現在位置

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感染者数統計と超過死亡

新型コロナが、感染はし易いものの重症化は少ないと言われるオミクロン株中心になり、各国とも国内の各種規制や入国制限を緩和し、漸く出口が見えてきた感がある。

そんな中で、日本では厚労省が、4月上旬まで「接種歴不明者」を未接種者に入れてカウントしておりワクチンの感染予防効果について過大に見積もっていた事が判った。

これらは、ネット民の間では数ヶ月程前から、分類が恣意的で普通に計算し直せばオミクロン株以降ワクチンの感染予防効果は殆どないと言われていたものだ。

ただし、TV報道の先駆けとなった兵庫県を中心としたサンテレビの報道については、厚労省の心膜炎のリスクパンフレットにも錯誤を誘うものがあるとの独自の指摘があるものの、肝心の未接種者のカウントについては「接種者」も未接種者に分類していたと迄言うのはミスリードとも言われており、データ入力用紙と情報把握・管理システム(HER-SYS)の取り扱いの実態を含め更なる解明が求められる。

また、超過死亡数について、今年に入り異常な数になっているとの指摘が、前述の未接種者問題と同様に報道されるようになってきた。

これについては、ワクチンの副作用によるものとの疑いがあるものの、一方に「隠れコロナ死」が原因だという真逆の解釈(今年のデータではないが、2020年と2021年の2年間の超過死亡についてのWHOのレポート)も有り得、今後超過死亡が各国政府も無視できない程に更に増した場合に、ワクチン政策を巡り大きな争点になってくるだろう。

5類化と中国ゼロコロナ

冒頭で述べたように、新型コロナ小康化に伴い各国は国内の各種規制や入国制限を緩和する中、日本は漸くマスク着用基準(実質的な法規制)が緩和され、外国人観光客がガイド付きの団体ツアーについて解禁される一方、感染法上等の分類が2類相当のままである等、中国等を除く各国に大きく後れを取っている。

参院選が終わるまでは、超安全運転で行くと決めている岸田政権の方針によるものだが、それを超えて次の衆院選まで超安全運転を続けそうな風情もある。

ここは、もっと大胆に緩和すべきだろう。

ところで、北朝鮮は先月辺りから俄かに新型コロナ蔓延とそれに対応したロックダウンを行い、最近ではその克服宣言を行った。十分な防疫体制も取れぬはずの北朝鮮では、とっくの昔に新型コロナが蔓延してたであろうし、変な話、死者が出れば埋めてしまえばお終いであろう体制からすると唐突感は否めない。

筆者が邪推すれば、中国ゼロコロナ政策正当化のために、習近平に付き合わされた感もあるが、真相は謎だ。

その中国では、習近平は少なくとも秋の共産党大会で3期目の国家主席続投が決まるまでゼロコロナ政策を続けるのだろう。

ゼロコロナ政策は、日本でも左翼言論人を中心に持て囃されたが、それを選択したオーストラリアやニュージーランド等の国では国民間に十分な免疫が出来ず、今そのしっぺ返し、揺り戻しを受けていると言われている。

その筆頭が中国であり、言わばコロナ負け組と見なされている。なお中国はこれまでシノバック等の従来型の不活化ワクチンを使い、ファイザー等のm-RNAやアストラゼネカ等のウイルスベクターのハイテクワクチンをこれまで使ってこなかった。

もし仮に従来型ワクチンよりもハイテクワクチンの方が中長期的に重篤な後遺症を引き起こす場合には、新型コロナに於ける勝者と敗者が再び逆転する可能性はゼロではない(なお、中国もハイテクワクチンを開発投入する予定との事ではある)。

コロナの展望

今後、新型コロナはどうなって行くのだろう。可能性として考えられるのは大別すると次の4つである。

① このまま、弱毒化してかつての「スペイン風邪」が最終的にインフルエンザになったように、「普通の風邪」となって収束する。

② 自然強毒化変異を起こし、「スペイン風邪」末期の様にもうひと暴れ、ふた暴れする。

③ ワクチン耐性強毒化変異を起こす。

④ 人為的強毒化変異株が流行する。(バイオテロ)

今の雰囲気からすると、①の収束に向かう風情であるしそう願いたいが、それをあざ笑うような他の可能性も捨て切れない。

これは、現在流行の兆しを見せている「サル痘」等の別の感染症にも言える事だが、当然の事ながら発生や流行のルーツの解明や、ウイルス自体や蔓延、感染、発症、重症化等のメカニズム、予防、治療についての学術的研究を世界的にタブー無く行い対策を打つ必要がある。

日本に於いては、先述の大胆な緩和と矛盾するようだが、強毒化株の流行の兆しがあれば場合によっては、迅速に2類相当に戻す事及び「人的鎖国」も辞さぬような体制と政権の決意が必要だ。

今次の新型コロナは幸いにもこのまま終息するのかも知れない。だが我が国には、新型コロナに不十分な対応しか出来なかったポンコツ医療体制も後に残された。

医療行政の改革(具体的には医療機関の公的機関化や緊急時の接収の仕組み他を含む)を医師会に斬り込んで行う事、即ち医療の有事即応体制構築が不可欠である。だが、残念ながらメディアと国民が目覚めぬ中では殆ど期待できぬのが現状だ。かくて寝ぼけ眼の国民を乗せたまま泥船は進んで行く。