外務省がバングラディッシュやインドネシアで進めていた超々臨界圧石炭火力発電所建設の援助を中止するとの、驚くべき今世紀最大大悪のニュースを知りました。金の卵を産む鶏を殺している状態だと思っています。
政府は22日、バングラデシュとインドネシアで手続きを進めていた石炭火力発電所建設への円借款供与を中止すると発表した。主要7カ国(G7)は2021年、温暖化ガスの排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への新規支援を同年末までに終了することで合意した。政府はいずれも「継続案件」で対象外としていたが、石炭火力への批判的な国際世論を踏まえ転換した。
今世界の流れは、あのドイツでさえ、石炭火力に回帰しているので、今回の政府の判断は完全に世界の潮流に反していると思っています。
技術は常に継続発展していかないと衰退してしまいます。石炭火力発電所の建設、運転を中止したら、日本の石炭火力の技術は衰退し、将来の稼ぎ頭がなくなってしまいます。
そして、途中で中止するぐらいなら、初めから入札しないことが重要です。なぜかというと、バングラディッシュもインドネシアも、どちらもエネルギー需要の逼迫で困っているので、日本が援助を中止したら、入札で敗れた国々がそのプロジェクトを引き継ぐことになることは確実です。
それら引き継ぐ国は、「本来なら我々は石炭火力の海外での建設はしないと宣言したけど、日本が入札で勝って受注したにも拘らす、約束を破って手をひいてバングラ・インドネシアが困っているので、仕方なく建設してあげる」と、約束を反故にした日本を非難しながら「仕方なく」建設を引き継ぐと予測できます。
今までの情報もダダ漏れとなって貴重なノウハウも、建設を引き継ぐ国へ筒抜けになってしまいます。安くて効率が劣る発電だと、世界中により多くのCO2を排出することになりますし、大気汚染物質の除去も心配です。地元の住民の方々の健康にも影響すると思います。
もしこの政策が、反対運動している高校生の圧力(?)によるものだったら、将来の日本を担って立つ高校生が希望しているということで、政府の判断は「よく決断した」と称賛されるのか?このニュースに対する各党とメディアのスタンスを確認して、記録する必要があると思います。
そして、超々臨界圧の次のIGCCとIGFCでエネルギー技術が日本の独壇場になるチャンスを、自らの手で潰してしまうとは。。。
政府の人は「金の卵を産む鶏」のイソップ童話をもう一度読み直すべきです!
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動画のノギタ教授は、豪州クイーンズランド大学・機械鉱山工学部内の日本スペリア電子材料製造研究センター(NS CMEM)で教授・センター長を務めています。