日本と海外の「いいとこ取りライフプラン」を考える

ウランバートルから60キロほど離れた郊外にあるゲルに宿泊体験でやってきました。自然がたっぷりの癒される空間です(写真)。

モンゴルのような新興国に来て実感するのは、高い経済成長とそれに伴う高リターンの投資機会です。

日本では低金利が続いていますが、その根本的な理由は高いリターンを実現する投資機会が乏しいことにあります。

お金を借りても大したリターンが得られない。だからお金を借りる人が少なく、資金需要がないから金利が上がらないという経済構造です。

モンゴルには年利で2ケタの投資リターンが実現できるような投資機会が当たり前のように存在しています。その代わり、貸出金利が50%を超えることも珍しくありません。そこまで借り入れをしても資金が必要な人たちがいることを示しています。

日本は成長機会は乏しいですが、清潔で安全なインフラ、世界最高レベルの食文化、安くお金を借りられる金融環境といったメリットがあります。

とすれば、日本人にとっての「いいとこ取りライフプラン」は、日本のハイレベルの住環境と食生活を享受しながら、低金利で資金を調達し、高いリターンの見込める新興国を始めとする海外への投資機会を使って収益を得ることになります。

お金に働いてもらうという観点からすれば、お金があまり働ける場所のない国内よりも、同じ働きでも大きく稼げる海外にシフトしていく。海外への投資に対して低金利の円で融資をしてくれる金融機関を上手に活用していくべきです。

年に数回海外に来ると、気持ちがリフレッシュされ、楽しい時間を過ごすことができます。

しかし、どこに行ってもしばらくすると日本に帰って温泉に入ったり、おいしい和食を食べたりしたくなります。

国内で低金利で調達したお金は、海外に稼ぎに行ってもらう。一方で、自分は国内でクオリティー・オブ・ライフを高めていく。そんなライフスタイルが自分にはベストだと実感します。

どうやらモンゴルからもそろそろ帰るタイミングがやってきたようです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年7月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。