東京郊外でも感じる「日本の新興国化」

週末のサウナイベントで東武練馬という東武東上線で池袋から20分ほどの駅に、生まれて初めて下車しました。

屋上テントサウナを堪能してから、帰り道にもう1人の参加者と一緒に駅前にある居酒屋に入ってみました。

地元の人気店らしく、店内はほぼ満席。タイミング良く空いたテーブル席で、まずはハイボールを注文しました。

メニューを見ると、いつも出かける赤坂・新橋界隈の同じような大衆店よりも明らかに割安です。

一番安いメニューは100円。〆の釜揚げしらす丼(写真)は何と430円。焼き串は1本140円からです。

ここに来てまた円安が進み、1ドル=140円近くに達しています。ということは、この焼き串は1本が1ドルという計算になります。

何を注文してもとにかく安いので、値段を気にせず好きなものを好きなだけ頼めます。そんな風に注文しながら、思い出したのはコロナ前にアジアの新興国に出かけた時の記憶です。

当時の日本と比べ、激安だったタイ、ベトナム、カンボジアのローカルなお店。

恐らく今や経済成長によるインフレと、円安によって東京の郊外よりも高くなっているはずです。少なくとも数年前に感じたような激安は、もはや味わえないでしょう。

日本の大衆店は美味しいだけでは無く、サービスも良いのに、チップも必要無し。こちらのお店は、自宅の近所にあれば毎日通ってしまいたいくらい魅力的なお店でした。

楽しく美味しいメニュを頂きながら、ここでも価格面での日本の新興国化が進んでいることを感じました。ただし価格は新興国化しても、新興国のようには成長していません。

「やっぱり日本の食は最高!」とテンションが上りながらも、激安な日本に少し複雑な気持ちになりました。

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編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年8月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。