2日、ペロシ米下院議長が台湾に無事到着しました。米下院議長の訪台は1997年のギングリッチ氏以来で25年ぶりです。3日には、蔡英文総統と会談する予定です。
ライブ中継:ペロシ米下院議長が到着するとみられる、台湾の空港の様子 https://t.co/jGwZeKzBEE
— ロイター (@ReutersJapan) August 2, 2022
それに対して、中国は台湾周辺での軍事演習を開始しました。台湾海峡をめぐる緊張は一層高まり、米中間での対立は激化しています。
ペロシ氏は台北の空港に到着後に、「今回の訪問は台湾の民主主義を支援するという米国の姿勢を示すため」「専制主義と民主主義が対立する中、米台の結束はかつてなく重要」という声明を発表し、中国をおおいに刺激しました。
到着とほぼ同時にワシントンポストは、ペロシ氏の「私が議員団を率いて台湾に行く理由」(Why I’m leading a congressional delegation to Taiwan)を掲載しました。「一つの中国」の原則を守りながら中国から台湾を守るという理屈を展開しています。
ペロシ米下院議長、台湾に到着 「かつてないほど結束重要」と強調 https://t.co/FCNcOxXfdW
— ロイター (@ReutersJapan) August 2, 2022
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中国国内では撃墜も辞さないという論調も出ていましたが、さすがにそんなことにはならず、無事到着しました。
無事到着して良かった。中国に警告されてペロシ氏が訪台を取りやめるなどあってはならないことだ。強固な米台関係を示す意義もある。他方で、米中が意図せざる衝突をおこすことのないよう水面下での意思疎通が重要だと痛感。難しい国同士ほど意思疎通は必要。https://t.co/1FEl0GnPJW @Sankei_news
— 松川るい =自民党= (@Matsukawa_Rui) August 2, 2022
今のところかろうじて、米中間での意思疎通はできているようです。
ペロシ下院議長の台湾訪問に対し、中国は早速、4日から7日までに台湾周辺で軍事演習をやると発表した。しかしどうして「4日から」なのか。その理由は簡単だ。4日になるとペロシ氏はもはや台湾にいない。米国との正面衝突を避けてペロシが去った後の軍事演習で、習近平は辛うじてメンツを保つのだ。
— 石平太郎 (@liyonyon) August 2, 2022
アメリカの政権内もまったく一枚岩ではないようです。怖いことです。
バイデン政権はペロシ氏の訪台をつぶそうとリークをしました。これはむしろ逆効果だったといえます。表になってから訪台をキャンセルすれば「アメリカは中国の恫喝に折れた」となるからです。ワシントンでは「第四次台… #NewsPicks https://t.co/gSDnNkyisY
— 峯村 健司 / Kenji Minemura 週刊ポスト『プーチンと習近平』連載中 (@kenji_minemura) August 2, 2022
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しかし、日本は政府も報道も扱いが低調です。林芳正外相は過剰なまでに中国に忖度をしているといわれています。
ペロシ下院議長が到着。台湾の人々がウクライナ色のマスク姿で出迎え。“人民解放軍は断じて黙っていない。断固たる措置をとる”との中国の子供じみた脅しは通じなかった。だが日本では林外相が「政府としてコメントする立場にない」と。台湾海峡の平和と安定について言うべき事もなし?さすが“媚中”代表 https://t.co/xoQwD5nftw
— 門田隆将 (@KadotaRyusho) August 2, 2022
岸田首相は完全に蚊帳の外で、悲しくなってきてしまいます。ペロシ氏は訪台後、岸田首相と朝食を食べる約束をしたようですが、日本には一方的にどんな請求書が回ってくるのでしょうか。その場合、検討で押し切れないものでしょうか。
ペロシ米下院議長の台湾訪問を巡って緊張が大きく高まっている時に日本を空けてニューヨークに行き、現実性ゼロの「核廃絶」を訴えた岸田氏の間の抜けぶりを何と表現すれば良いのか
— 島田洋一(Shimada Yoichi) (@ProfShimada) August 2, 2022
今後は日本の安全保障にも大きな影響が出てきます。また、日本企業も、サプライチェーンを再検討する必要もでてきます。
Global Timesによると、中国は赤い斜線で囲まれた区域で軍事演習を行う模様。日本の最西端の島である与那国島の南北両側で軍事演習が行われる。ペロシ訪台に伴う米中関係の緊張は、日本にも重要な影響を及ぼす可能性がある。 pic.twitter.com/JAKvbvNNUd
— 佐々木 れな/ Rena Sasaki (@rena_in_dc) August 2, 2022
今回も日本は大国のはざまで流れに身を任せていくことになりそうです。