安倍元首相はいかにして欧州の政治家たちを籠絡したか

羽賀ヒカルさんの『神社チャンネル』で『安倍さんの外交のウラ話(トランプ、習近平、プーチン)』という話をしている。

8月に刊行する『安倍さんはなぜリベラルに憎まれたのか』の内容を中心に紹介しているが、安倍外交の裏側、それに安倍元首相暗殺事件に何か裏はないのかなどということも話している。中身は濃いと思うので、ぜひともご覧下さい。

本日はこのなかから、各国首脳と安倍さんの交流について、とくにイギリスの指導者たちとのお付き合いを紹介する。

安倍さんがネットフリックスで放映されている英国王室の内幕ドラマ「ザ・クラウン」を、大変興味深く見ておられると人から聞いた。

ご本人に「本当か」と確認したら、「見てますよ。ボリス・ジョンソン首相に、”あれは事実なのか?”ときいたらしばらく間を置いてにやっと笑って”ノーコメント”といったから、だいたい本当だということらしいが、どうなんだろう」ということだったので、「だいたい大下英治さんの政界ものと同じくらいには真実と思っていいと思いますよ」といったら、大笑いになった。

イギリスの歴代首相とは、いずれもたいへん、気があったようだ。エリザベス女王も安倍首相のことは大事に思い、丁寧なお悼みの言葉を出された。

彼らは社交的だから、安倍さんにとっては、気が楽な相手だ。そのなかでも、テリーザ・メイ首相は、安倍首相を世界の指導者のなかでも格別に評価していた一人だ。ブレクジットでいちばん苦しい時期に、訪日を成功裏に終わらせてもらった心遣いに感謝したのだ。

ジョンソンもサミットで共同宣言に拉致問題を入れてもらうのが難航したとき、「シンゾーがあんなに言ってるのだから」と言ってくれたと西村康稔官房副長官(当時)から聞いたことがある。

それに比べると、ヨーロッパの指導者たちは理屈で詰めますから、手強かったようだ。

安倍さんにお会いした時に、こういった外交要人と良い付き合いをするためにどういう工夫をするのか聴いたことがあるが、「相手が何を一番して欲しがっているか考え、それを思いっきり実行してきた」といっていた。

その例として、イタリアのレンツィ首相がサミットに現れ、右も左もわからず戸惑っていたときにも、上手に輪の中に入っていけるように誘導したのは安倍さんであり、リベラル派の代表みたいな政治家ですが、その後も安倍首相への敬愛には顕著なものがあった。