新聞は社説ではいえない意見を「寄稿」として出すことが多いのですが、きのうの朝日新聞に1面見開きで載った豊永郁子氏(政治学者)の意見はその典型でしょう。
いろいろとまた議論を呼びそうなOp-edだな。ブチャの虐殺などに一言も触れていない点で、人権を論じる意味がどこにあるのかよくわからない、というのが読後の印象。https://t.co/5K3snhOYR6
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) August 11, 2022
今日の朝日に載ってた政治学者・豊永郁子先生の寄稿。
徹底抗戦するウクライナ批判、ゼレンスキー批判が満載で、見事にロシアの意見を代弁している。まあ朝日らしいといえばらしいが… pic.twitter.com/oAm5ep1SKN— FLATLAND1884 (@FLATLAND1884) August 12, 2022
ブチャの虐殺はこの人の中ではないことになってるのか。占領されると占領軍による虐殺が起きるのは歴史が教えるところ。 プラハの無条件降伏を評価しているし、ナチス併合下のチェコでの人権侵害やユダヤ人の迫害もこの人の中でないことになっているのか。
https://t.co/nd2ph7Fg1C— 山口貴士 aka無駄に感じが悪いヤマベン (@otakulawyer) August 13, 2022
「朝日らしさ」がよく出ているのは、ウクライナ戦争を見て憲法9条の平和主義のすばらしさを再確認する部分でしょう。
私はむしろウクライナ戦争を通じて、多くの日本人が憲法9条の下に奉じてきた平和主義の意義がわかった気がした。ああそうか、それはウクライナで今起こっていることが日本に起こることを拒否していたのだ。
冷戦時代、平和主義者たちは、ソ連が攻めてきたら白旗を掲げるのか、と問われたが、まさにこれこそ彼らの平和主義の核心にあった立場なのだろう。
要するに「ウクライナが白旗を掲げたら平和になる」という無抵抗平和主義。これには研究者もジャーナリストも怒っています。
(寄稿)ウクライナ、戦争と人権 政治学者・豊永郁子:朝日新聞デジタル https://t.co/RURDgJ7B24
※ウクライナの人の考えを何も調べずに、情報のつまみ食いと思い込みでしっかり固めたお花畑なお話。世論調査を見て、それを踏まえてウクライナの人と一通り話してから、発言すべきかと。
— Hirano Takashi / 平野高志 (@hiranotakasi) August 11, 2022
《政府と軍が無益な犠牲を国民に強い、一億玉砕さえ説いた第2次世界大戦の体験があまりにすさまじかったから理解できる。同じ懸念を今、ウクライナを見て覚える》
日本は侵略した側。ウクライナは逆。これが分からないのは日本が侵略した側だと理解してないということでは?https://t.co/ESdcuif1oi— 安田純平 (@YASUDAjumpei) August 12, 2022
特に問題になったのは、最後のこの1節。パリもプラハもナチスに抵抗しなかったから助かったという話です。
最近よく考えるのは、プラハとパリの運命だ。中世以来つづく2都市は科学、芸術、学問に秀でた美しい都であり、誰もが恋に落ちる。ともに第2次世界大戦の際、ナチスドイツの支配を受けた。プラハはプラハ空爆の脅しにより、大統領がドイツへの併合に合意することによって。パリは間近に迫るドイツ軍を前に無防備都市宣言を行い、無血開城することによって。
私も最後のプラハとパリの話のご都合主義にははっきり言って怒りを感じた。「両都市は屈辱とひきかえに大規模な破壊を免れた」──この著者はブチャについて沈黙するのと同様に、アウシュヴィッツについても無視する。パリからアウシュヴィッツに送られた人々のことを。
https://t.co/IHu45Hakic— 田中 純 / TANAKA Jun (@tanajun009) August 12, 2022
そこは僕も憤りを覚えた。プラハは降伏したから平和が保たれたって、何を言ってるんだ。占領したナチが何をやったか知らないのか。そこで平和裡に暮らしていたチェコ人を狩り立て、ガス室に送り込んで殺したんだよ。先祖がユダヤ人だったというだけで。
似たことを21世紀にやってる露は免罪か。
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) August 13, 2022
この論法によれば、侵略には「無防備都市」を宣言して降伏するのが一番ということでしょう。東京が無防備都市を宣言したら、都民が虐殺されても奴隷にされても抵抗できません。
豊永郁子先生によればね、中国人が日本軍に抵抗なんかしたから、戦争が長引いちゃったんだよね。中国人が潔く日本軍の奴隷にさえなっていれば、全て上手くいったんだよね。 https://t.co/h2Ga81lS6l
— 篠田英朗 Hideaki SHINODA (@ShinodaHideaki) August 12, 2022
朝日新聞は同じ日に想田和弘氏(映画監督)の「非暴力抵抗」のすすめを紹介しています。さすがに本紙ではここまでバカなことはいえないので、「論座」という別館でいわせています。
ウクライナ戦争の初期にはおとなしかった朝日新聞も、本性を現してきたね。想田和弘の「非暴力抵抗」と並べると、朝日の社論がわかる。中国が攻めてきたら、政府に「降伏しろ」という論陣を張り、自分は裏口から逃げる。 https://t.co/SsmM2Oniar
— 池田信夫 (@ikedanob) August 12, 2022
さすがにネット上でも「ひどすぎる」という批判が圧倒的ですが、朝日新聞は確信犯です。記者をリストラして、平和ボケ老人専門紙に特化するマーケティングなんでしょう。