東京都心の不動産は、以前ほどの急激な上昇はなくなりましたが、価格は高止まりし、引き続き需要は旺盛なようです。
マイホームとして販売されている東京湾岸のタワーマンションの価格は今や1億円前後の物件も珍しくなくなり、限られた人にしか手の届かないものになってしまいました(写真は例外的に格安で人気殺到の晴海フラッグ)。
私は、現時点では住宅ローンを使った居住用不動産の購入には消極的です。実際、以前購入していた目黒の自宅も手放してしまい(ただし住宅ローンは組んでいません)、その資金を頭金に使って投資用不動産を積極的に購入しています。
マイホーム購入は、ワンルームマンションのような投資用不動産購入よりも3つの理由から危険だと思っています。
まず、マイホームはローン返済が滞るリスクが高いことです。
マイホームの場合、自分の給与(税引き後)の中から支払うことになります。手取りの収入が減ったり、万が一勤務先が破綻したりリストラに遭遇すれば、返済が滞るリスクがあります。
投資用物件の場合、ローンを返済は入居者の家賃からになります。空室になりにくく家賃が安定した物件を保有すれば、返済が滞るリスクはマイホームより圧倒的に小さくなります。
次に投資利回りから比較すると、マイホーム購入は投資用物件購入よりメリットが小さいことです。
都心のタワーマンションの賃貸想定家賃を購入金額で割算すると、利回りは3%以下になると思います。1億円の家を賃貸しても年間の家賃は300万円程度。一方、投資用ワンルームマンションでは、現時点では約4%の利回りが得られます。
コストを考慮しなければ、投資用物件から年間4%の家賃収入を得て、それを3%の賃料に充当すれば、1億円の物件で年間100万円が得られる計算になります。
そして3つ目が、マイホームは将来の出口戦略が立てにくいことです。
ワンルームマンションは単価が1千万円から3千万円が中心で、投資利回りから計算された適正価格であれば、売却は容易です。
しかし、居住用タワーマンションになると、人気不人気によって評価が変わってきます。単価も高く購入者が限られているため、売却時の流動性に劣るのです。
このように考えると、マイホームを買うよりも投資用ワンルームマンションを買う方が、経済的メリットは大きいのです。
ただしマイホームには経済合理性を超えた価値があるのも事実です。デメリットを理解した上で、それでもマイホームを買う人を否定はしません。
私が言いたいのは、もし友人がマイホームを買ったら「おめでとう」ではなく「大丈夫?」、投資用物件を買ったら「大丈夫?」ではなく「おめでとう」というのが正しいリアクションだということ。
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編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年8月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。