JR東海とJR東日本の「センスの違い」

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軽井沢での2日間は、バーベキューあり、朝シャンあり、赤門同窓会ありと密度の濃い時間になり、夜遅い時間の新幹線で東京に戻りました。

長野新幹線に乗るたびに思う事は、なぜグランクラスとグリーンが車両編成の中央部ではなく、1番端にあるかです?東京行きの上りの場合、最後尾にグランクラス、その隣がグリーンとなっていて、高い乗車料金を払っている人ほどホームの端までの長い距離を歩かなければならないという不思議なサービスになっています。

JR東海が運営する東海道新幹線の場合、グランクラスはありませんが、グリーン車は車両編成の中央部になっています。階段やエスカレーターからの距離も近く、降りるとすぐに目的地に向かうことができる利便性があります。

また東海道新幹線のグリーンのシートは個人的感想ですが、グランクラスの皮張りのシートよりも座り心地が良く、快適な移動ができます。

JR東日本が、グランクラスやグリーンを車両中央部に配置しないのは、一般客の通り抜けをさせない配慮があるそうです。芸能人が乗っていると、必要もない通り抜けをする人がいて、確かに有名人には良いのかもしれません。でも、そんな人は利用者のほんの一握りです。

また、先頭車両は定員が少なく、一般車両よりもグランクラスのキャパシティーに向いているという判断もあるようです。これは、顧客目線ではなく単に運営側の都合です。

通り抜けが防止できても、毎回荷物を持って遠くまで歩かなければならず、降りてからもエスカレーターに早く到達できないことの方が問題です。

といっても今更、車両の編成を変えるのは、負担も大きく難しいのかもしれません。

今回はグリーンにしたのは、今年春に富山に行った時に利用したグランクラスが「価格>価値」な残念なものだったからです。

どうやら商売上手のJR東海とは対照的に、JR東日本は富裕層ビジネスが苦手のようです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年8月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。