「安倍さんはなぜリベラルに憎まれたのか – 地球儀を俯瞰した世界最高の政治家」のなかで、これまで書いたことのない安倍元首相についての話をいろいろ書いたのだが、そのひとつが、1982年のベルサイユ・サミットの際に、パリで安倍晋太郎通商産業大臣夫人のアテンドをした話である。
その時は、大臣と別のホテルに泊まった洋子夫人(つまり岸信介の娘で晋三首相の母親)のところに、岸信介氏をめぐる人物として戦後史に描かれるような人物や、地元の支援者で洋子夫人が気を許せる人など、いろんな方にあったし、その人たちの会話から、岸・安倍一家というものがどういうものか知る貴重な機会になった。
新著では、そこで見聞きしたことの一部を披露している。
その時にも感じたし、その後観察して思ったのは、洋子さんは、息子の安倍晋三にいわば美化した白馬の騎士的な岸信介を継承することを望んだように思う。そのことは良いことばかりでなく、あの岸信介の怖さとか凄みを第1次内閣のころまでの晋三元首相が十分に引き継いでいなかったというマイナスもあったと思う。
また、洋子さんが父や夫と付き合いがあっても、あまり息子と付き合わせたくない人たちとの接触は抑えるようにアドバイスをしたということもあったようだ。だから、晋太郎氏とは親しかったが、晋三首相にはあまり相手してもらえなかった人をたくさん見てきた。策士といわれる人が多い。
おそらく旧統一教会もそうだったのだと思う。もちろん政治家だから、支援者になってくれる人をわざわざ敵にまわすことはコストが大きいので、ほどほどのパイプは維持されただろうが、第1次内閣のころには疎遠で、中曽根元総理、鳩山由紀夫などといった人が旧統一教会のお付き合いの中心だった。
そのあたり、中曽根ファミリーが、孫の康隆氏(前川喜平の甥)の代になっても濃密な支援を受けているのと大違いだ。
そのことは、すでに厳しく批判してきたが、8月22日付けの毎日新聞では、昨年の総選挙直前の9月、旧統一教会が前橋市と群馬県高崎市の教会施設で「中曽根康隆衆院議員を励ます会」を開催し、中曽根氏は出席しているのである。中曽根・前川ファミリーは懲りない人たちで、文部相(中曽根弘文)の子で文部事務次官(前川喜平)の甥なのに教育がまるでなってない。
関連団体でもないし場所も教会そのものである。同じ三代目でも安倍さんは実に慎重だったのに、その安倍元首相が、なんで殺されたのか理不尽すぎて涙が出る。
民主党政権の罪を巧妙に隠す朝日新聞の記事の悲惨
ここ数日の報道でも、義憤を感じるひどいものが多い。
朝日新聞によれば1998年1月~09年4月に文化庁は「憲法上及び宗教法人法上許容される範囲内で統一教会に対する何らかの対応が必要である」として少なくとも計9回のヒアリングを行った。つまり2006~07年の第1次安倍政権のときもヒアリングは続いていたのである。だが、麻生政権末期の09年4月以降、していなかったことが朝日新聞の調べで明らかになったそうだ。
理由は、このあと、「世一事件」の取り締まりが6月に行われ、9月には統一教会とズブズブの民主党の鳩山由紀夫政権が成立したからというだけなのだから、はっきりそう書くべきだ。自民党のせいかと思って記事を書いていったら、よく考えてみたら民主党政権の責任であることがわかったのでまとめきれなくなったのではないか。
最後のところは、6年も先の2015年の名称変更の話に思わせぶりに持って行ってるが、全ての悪事は民主党政権の時に行われた動かぬ証拠だ。それにしても汚い。
Facebook友達になって「統一教会幹部とも“お友達”」とかかれた萩生田氏
デイリー新潮のタイトルで「萩生田政調会長、統一教会幹部とも“お友達”だった」という記事を読んでみたら、「ジャーナリストの鈴木エイト氏によると、萩生田氏はフェイスブックを通じて、統一教会のある大幹部と今でも“友達”の関係にあるんです。その幹部とは、・・・・」とある。
Facebookでは怪しげな人でもいい議論ができたら「友達」になっていただいているが、それもこんな風に書かれるなら、直接に知らない人は『友達』を止めなくてはならないのだろうかと悩んでしまう。
■