ロシア・ウクライナ戦争の出口戦略

野口 和彦

ロシアがウクライナに侵攻してから、半年以上が経過しました。戦争はいつか必ず終わります。ロシア・ウクライナ戦争も永遠に続くわけではありません。明けない夜がないように、終わらない戦争もありません。

しかしながら、現在のところ、クレムリンもキーウも戦争を終結させるのではなく、エスカレートさせているようです。ロシア軍は個々の戦闘では苦戦を強いられることもあるようですが、緒戦からじわじわとウクライナ領土の占領地を拡大しています。現在、ロシアはウクライナ東南部の2割程度を征服しています。

ウクライナは開戦時点での原状復帰を勝利とみなすことから、その目的を拡大しました。ヴォロディミル・ゼンレンスキー大統領は、この戦争は「クリミアで始まりクリミアで終わる」として、8年前にロシアに併合されたクリミア半島の奪還を明言するようになりました。

ウクライナ政府は公式に認めていないようですが、伝えられるところによれば、8月下旬ころから、クリミアのロシア空軍基地、兵站部、輸送拠点、司令部を狙った長距離兵器やドローンの攻撃を繰り返し行っています。

Galeanu Mihai/iStock

停戦についてのロシアとウクライナの姿勢

興味深いことに、ロシアとウクライナは、最近では停戦に関して対照的な態度をとっています。すなわち、ロシアは停戦を打診する一方で、ウクライナは、これに全く応じない強い姿勢を貫いているのです。

ロシアのペスコフ大統領府報道官は、9月5日、「プーチンは、どのように『特別作戦』を終了させるかについて、またロシアの設定する条件下ということではなく、ロシアの利益を反映する監視体制に関して、ウクライナのボォロディミル・ゼレンスキーと交渉する準備がある」とベラルーシ独立系メディア NEXTAを通じて、メッセージを発しています。

元大統領のドミトリー・メドベージェフ国家安全保障会議副議長は、8月26日に、「(ウクライナが)NATOへの参加を断念することは今や不可欠だが、平和を確立するには既に不十分だ」と発言して、ロシアは目標が達成されるまで軍事行動を続けるだろうとする一方で、ウクライナとの協議については、ゼレンスキー大統領と「会う準備はできている」とのシグナルを送っています。

ウクライナのゼレンスキー氏は8月23日の記者会見で、クリミア半島について「他国との相談なしに、自ら正しいと決めたあらゆる手段で取り戻す」と奪還の意思を強調するとともに、「今のところ、われわれに停戦の用意はない」とも明言し、徹底抗戦する決意を示しました。

ミハイロ・ポドリャク大統領府顧問は8月22日、ロシアがここ数週の間に新たな和平交渉を打診してきていると明らかにする一方、これは新たな攻勢に備えて部隊を再編するための時間稼ぎにすぎないとの見方を示しています。

要するに、キーウはクレムリンが停戦協定を守ると考えていないのです。ウクライナの指導者は、ロシアと停戦協定を結んだとしても、それは同国が戦力を立て直して再侵略する時間稼ぎであり、ロシアに利するだけだとみなしています。

幻の戦争終結合意

このようにロシアとウクライナの間には、今や停戦交渉の余地が全くないように見えますが、実は、3月下旬に、両国は戦争終結のアウトラインにほとんど合意していたのです。これは「イスタンブール・コミュニケ」と呼ばれるものです。トルコのエルドアン大統領を仲介者として、プーチン氏とゼレンスキー氏は、このコミュニケに沿って戦争を終わらせることで意見が一致していたようなのです。

アメリカの複数の元政府高官によれば、ロシアとウクライナの交渉担当者は、4月上旬に暫定解決のアウトラインに一時的に合意したかに思われた状況でした。この合意の概要は、ウクライナが多国間の安全保障を受けてNATO加盟を求めない誓約と引き換えに、ロシア軍はクリミアとドンバスの一部を掌握していた開戦前の2月23日時点の位置まで撤退するというものでした。

第1に、この提案では、ウクライナは非核兵器保有国として永世中立国になります。そして、この合意は次の多数の国家によって保証されるということです。それらの保証国は、国連の全ての安全保障理事会の常任理事国(米ロ英仏中)、カナダ、ドイツ、イスラエル、イタリア、ポーランド、トルコです。そしてウクライナが攻撃された場合、キーウからの訴えを受けて、保証国はウクライナの永世中立の地位を回復して維持するために、必要に応じて武力を行使して支援することが盛り込まれていました。ただし、この保証はロシアの占領地には及びません。

第2に、保証国はウクライナが欧州連合(EU)に加盟することを促進することがうたわれていました。サミュエル・チャラプ氏(ランド研究所)は、3月下旬の「イスタンブール・コミュニケ」がロシア・ウクライナの和平のチャンスだったと断言しています。

かれによれば、ロシア側の主任交渉担当者だったウラジーミル・メディンスキー氏は、この提案をモスクワに持ち帰ったところ、強硬派から、クリミア併合が公式に承認されていないことやウクライナのEU加盟を支持する諸点などを痛烈に批判されました。しかしながら、メディンスキー氏は数日後に、イスタンブール提案に前向きな姿勢を公の場で見せています。こうした態度は、プーチン氏との協議なしにはありえないだろうとのことです。プーチン氏自身も、4月下旬のアントニオ・グテーレス国連事務総長との会談で、この構想を「本物の突破口」だと語っています。

他方、ロシアは本気でウクライナと和平を結ぶ気はなかったと指摘する専門家もいました。アメリカの国務省政策企画本部に勤務して、国家情報会議でロシア・ユーラシア担当を務めていたアンジェラ・ステント氏(ジョージタウン大学)は、「プーチン大統領がクレムリン(大統領府)にいる限り、ウクライナを諦めることはないでしょう。(プーチン大統領が)ウクライナを従属させるという自らの目標を諦めることはなく、親ロシア政府を作るでしょう。それが彼の目標です。現時点で目標を達成していないことは明らかで、恐らく、近いうちに達成することもないでしょう。ただ、彼は諦めないでしょう」と合意に警鐘を鳴らしていました。

このようにイスタンブール・コミュニケの実現可能性については、専門家の間で意見が割れています。ロシアが本気でウクライナと和平を結ぼうとしていたのかを確かめるすべは、残念ながら、現在のところありません。我が国では、どちらかと言えば、ロシアの姿勢に懐疑的な見方が強いのではないでしょうか。

失われた機会

イスタンブール提案は、公式な合意として成立しませんでした。ロシアのプーチン大統領は4月12日、ベラルーシのルカシェンコ大統領との首脳会談で、ウクライナと行っている停戦交渉について「ウクライナが合意から後退し、こう着状態に陥った」と非難するとともに、「目的が達成されるまで軍事作戦は継続する」と述べて、現時点では停戦に応じず、軍事侵攻を続けていく考えを強調したのです。

一旦はモスクワが受け入れたかに見えたイスタンブール・コミュニケですが、プーチン氏はなぜ拒絶したのでしょうか。ロシア側の主張によれば、欧米が横やりを入れたことが、その理由だということです。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、7月26日、ウクライナでの軍事作戦について、3月にトルコで行われた停戦交渉でウクライナ側が合意文書案を提示しロシア側も支持したにもかかわらず、「米国や英国、その他の欧州諸国がその条件でロシアと合意することをウクライナに禁じた」と説明しました。

ロシア政府筋の情報はプロパガンダも多分に含まれるので、慎重に扱わなければならないのは言うまでもありませんが、仮にラブロフ氏の説明に根拠があるとすれば、メディンスキー氏が提案をモスクワに持ち帰り、プーチン氏がそれを拒絶する間に、ウクライナと欧米の間に何かがあったようです。

重要と思われる出来事は、イギリスのボリス・ジョンソン首相が4月9日にキーウを訪問して、ゼレンスキー氏と会談したことです。そこで話し合われた内容は、イギリス政府の公式発表によれば、イギリスがウクライナ側に立って武器提供をするということです。

それに加えて、あるジャーナリストによれば、ジョンソン氏はゼレンスキー氏に対して、プーチンは戦争犯罪人であり交渉できる相手ではないので押し潰すべきと説いたそうです。そしてジョンソン氏がキーウを離れた3日後、プーチン氏はウクライナが後退したために交渉が行き詰まったと発言して、ロシア・ウクライナの暫定合意は潰えました。

これだけのデータでは、イスタンブール・コミュニケが崩壊した確定的な要因を探し出すことはできません。われわれにできることは、入手できる証拠により、暫定的な推察を提示するくらいでしょう。

この件について、アメリカのクインシー研究所のサイト「責任ある国政術」が、興味深い分析を掲載しているので、参考までに紹介したいと思います。ここでは2つの根拠から、ロシアもウクライナも停戦合意を求めていただろうと主張されています。すなわち、ロシアとウクライナは戦争状態にあるにもかかわらず、7月にウクライナの穀物輸出に合意できたこと、ロシアが占拠するザポリージャ原子力発電所に国際原子力機関(IAEA)の調査団が到着できたことから、戦争の副次的損害を小さくするインセンティヴを持っていることが伺えるのです。

もしこうした推察が正しいとするならば、イスタンブール・コミュニケは停戦もしくは戦争終結の「失われた機会」だった可能性があります。

戦争終結への障害

戦争は始めるのは簡単であるが、終わらせるのは難しいといわれます。それでは、なぜ戦争はなかなか終わらなくなるのでしょうか。この問題について、スティーヴン・ウォルト氏(ハーバード大学)は、興味深い説明を行っています。

第1に、「埋没コスト」が戦争の終結を妨げます。ここでいう「埋没コスト」とは、既に支払った損失のことを指します。過去のコストは回収不可能なので、経営戦略では、埋没コストは無視すべきといわれますが、戦争では、そういきません。戦場で散った英霊や犠牲となった市民は、政治指導者の政策決定に大きな影を落とすのです。この点について、ウォルト氏は次のように主張しています。

戦争が進行すると馴染みの埋没コスト問題が不可避的に入り込む。敵同士が損失に苦しむと、指導者は既に払った犠牲を正当化する十分な利得を得ようとする…埋没コストで現行政策を決めるのは不合理だが…埋没コスト回収の望みはどちら側にも戦争目的の拡大を促す。

ウクライナが停戦を強硬に拒否する1つの理由は、支払った「埋没コスト」の大きさのせいではないでしょうか。キーウの政策決定者にとって決定的なのは、ブチャの虐殺などにおける、多くの民間人の残忍な形で払わされた犠牲でしょう。国連人権高等弁務官事務所によれば、この戦争で命を落としたウクライナの民間人は、7月初旬時点で5000人を超えます。こうした上昇したコストは、ゼレンスキー政権に、その回収が見込めない「和平」の受け入れを躊躇させるに十分だと考えられます。

他方、ロシアは1万5千人以上の兵士が戦死して、軍の装備にも莫大な損害を被っていますが、ウクライナの領土の約2割を占領しています。そもそもロシアがウクライナに侵攻した最大の理由の1つが、ウクライナのNATO加盟を阻止することでした。

ロシアのウクライナ侵攻は、プーチン氏が、欧米の軍事支援を受けたウクライナが手に負えない敵になり、ロシアの安全保障を脅かすことを恐れて、それを防ぐために起こした予防戦争です。クレムリンの指導者は、ウクライナのNATO非加盟の目的を達成するとともに、支払った埋没コストに見合う条件が整えば、停戦に応じてもよいと考えているのかもしれません。

第2に、「コミットメント問題」が停戦合意を難しくします。これは国際政治がアナーキー(無政府状態)における国政術であるがゆえに、指導者にとって深刻な問題です。世界には国家に約束を遵守させるメカニズムは存在しません。このことは停戦交渉の妥結を著しく困難にします。なぜならば、国家は合意を反故にして優位に立とうとするかもしれないため、将来も合意が守られることに確信を持てないからです。

この問題について、ウォルト氏は以下のように説明しています。

敵の印象が悪くなると、交渉力は低下する。外交関係は厳しくなり、直接コミュニケーションはもっと困難になり、妥協の可能性を提唱する者は裏切り者として非難されがちだ。たとえ交渉が始まっても、どちらも取引を成立するのに十分なほど相手を信用しないであろう。和平交渉は深刻なコミットメント問題に直面するのが典型だ(敵が再武装しない、和平協定を破らない、再度追撃してこないと、どう確信がもてようか)。それぞれが相手の印象を悪化させるに従い、この障壁はどんどん声高になっていくのだ。

ウクライナには、ロシアを信用できない、あらゆる理由があります。キーウが、停戦はロシアの時間稼ぎの戦術であるとみなして信用しないのは、無政府状態における高い不確実性という構造的要因に影響されています。

さらに、そもそも侵略してきた敵国の政策立案者は、信頼に値しないとみなされます。なぜならば、侵略は領土保全規範というルールに違反する行為だからです。一度約束を破った指導者は、合意しても、それをまた破棄するだろうと思われるのは自然なことでしょう。他方、ロシアが停戦の監視について、自国の利益を守る方法を主張しているのは、やはり、コミットメント問題を気にしているからだと推察されます。

しかしながら、ロシアもウクライナも、穀物輸出合意においてはトルコの仲介により、ザポリージャ原発の査察においてはIAEAの介入により、コミットメント問題を克服していますので、停戦で合意に至ることは、決して不可能ではないでしょう。

停戦への道筋

戦争の終わり方は、大別すれば、どちらかが全面的に降伏するか、戦闘の膠着状態がもたらす停戦のどちらかです。ロシア・ウクライナ戦争を分析する大半の専門家の今後の戦局の見通しは、行き詰まりの状態の継続でコンセンサスが形成されています。

ジャック・デッシュ氏は、さまざまな戦争分析を総合して、「ほぼ全ての専門家はロシア軍が更に領土を征服する部隊を欠いていること、欧米から提供される多連装ロケット砲システムにより強化されたウクライナの攻撃に直面していることに同意するが、長引く紛争の継続が最も可能性の高い結果である」とまとめています。したがって、ロシア・ウクライナ戦争は、現時点では、どちらかが降伏するシナリオより、停戦により戦闘が収まる可能性が見込まれると思われます。

ロシアとウクライナ間の停戦の道筋について、最近、注目される動向がありました。リベラル・ホーク(タカ派)でワシントンのブロブ(リベラル介入主義を擁護する外交エリート)に影響力をもつ、元駐露大使マイケル・マクフォール氏(スタンフォード大学)が、膠着状態による停戦を擁護するかのような発言をしているのです。

かれは『ワシントン・ポスト』紙に寄稿した記事で、「プーチンは軍がこれ以上前進できなくなるまで戦いをやめないだろう…戦場の膠着状態なくして、プーチンは決して交渉しないだろう。ウクライナ軍がロシア軍を早く止めれば、プーチンは早く戦争を終えるだろう」と指摘しているのです。

ここで、かれはウクライナに武器支援を行い、ロシア軍の進撃をとめて膠着状態にすれば、プーチンは戦争を終わらせる交渉にのりだすだろうと言っているのです。ウクライナにおける戦況は、4月下旬からほぼ膠着状態が続いていますので、今後のロシア軍の疲弊の限界点を見極めることが、停戦を成立させるためには死活的に重要になります。

停戦の正しい分析

停戦のタイミングを逃さないためには、われわれは、正しい分析枠組みを使わなければなりません。この点について、いくつかの注目すべき論考を発表している千々和泰明氏(防衛研究所)の「理論」は、広く受け入れられているようですが、私は正直に申し上げると疑問を持っています。

かれは戦争で優勢側が、「将来の危険」を大きく見積もり、「現在の犠牲」を小さいと判断すれば、「紛争原因の根本的解決」を目指すと主張しています。そのうえで千々和氏は、プーチン氏はウクライナのNATO加盟を危険視していたのではなく、開戦直後からの停戦交渉は「妥協的和平」ではなく、ウクライナの降伏による「完全属国化」を目指すものだったと断定しています(「ウクライナ戦争の終わらせ方」『文藝春秋』2022年8月、188-199ページ)。

これは筋が通らない説明です。第1に、プーチンが危険視したものが、何であるか特定されていません。かれは「プーチンの勝手な世界観」が危険だと言っているのですが、これは意味不明です。プーチン氏も多くの戦略研究者も、ウクライナのNATO加盟はレッド・ラインだと主張しています。これを否定するエビデンスが指導者個人の勝手な世界観では、恣意的で弱すぎると批判されても仕方ないでしょう。

第2に、ロシアとウクライナの停戦交渉が、一方的に降伏を強いるものだったというのも、やはり根拠が弱いです。この記事で詳しく論じたように、プーチン氏は戦前の原状回復で妥協するつもりだった可能性は否定できません。もちろん、ステント氏のような懐疑論者もいますので、どこまでかれがイスタンブール・コミュニケを受け入れる用意があったのか、確定的なことは分かりませんが、千々和氏がこれを否定するのであれば、その証拠を示さなければなりません。エビデンスがなければ、それは単なる個人の思い込みに過ぎないでしょう。

ここで大切なことは、イスタンブール・コミュニケの事例は、千々和氏の戦争終結仮説を棄却する「決定的事例」かもしれないのです。そもそも半数以上の戦争は、4か月以内の短期に終結します。これは「埋没コスト」の低さと「妥協的和平」が相関関係にあることを示唆しています。そして何よりも重要なのは、「将来の危険」は、そもそも国家が相手を危険な敵とみて戦争をするのを前提とすれば、これは変数ではなく定数であるのだから、和平や停戦、降伏を左右しないと論理的には推論できるのです。

第3に、ウクライナにとって、将来の危険はロシアの戦力の弱体化により下がる一方で、死傷する兵士や市民、国土の破壊といった犠牲はますます増えているのだから、ウクライナの選好は時間と共に「将来の危険<現在の犠牲」に近づきます。その結果、キーウの指導者は「妥協的和平」に傾くはずですが、実際には停戦を強固に拒絶するようになっています。

この証拠も千々和氏の理論の予測と一致しません。かれの理論とは逆に、ウクライナそしてロシアも犠牲が相対的に少なかった時の方が、「妥協的和平」に前向きだったのです(付言すれば、第二次世界大戦の「紛争の根本的解決」において、空前絶後の7000万人前後の犠牲者を出したにもかかわらず、「現在の犠牲」がゼロに近いと、かれが解釈しているのは不可解です)。

ロシア・ウクライナ戦争における真の危険は、核戦争へのエスカレーションです。この危険を根本的に取り除くために、相手に全面降伏を強いるのは、自己破滅を導く予言に他なりません。ロシアの核兵器による攻撃の「危険」を根本的に解決するために、ロシアを滅ぼうそうとしたら世界が滅びるかもしれないのです。

残念ながら、第二次世界大戦のような戦争終結は見込めないばかりか、望ましくないでしょう。キューバ危機で核戦争の危険を実感したケネディ大統領は、凶弾に倒れる前、我々にメッセージを残しました。 「核大国は敵に屈辱的な退却か核戦争のどちらかを選択させる対立を避けなければならない。核時代にこの種の選択をすることは、我々の政策の破綻か、世界にとっての集団的な死の願望のどちらかになるは明らかだ」と。

残念ですが、ロシアとウクライナの両国を満足させる戦争の解決は望めそうにありません。核時代において、正義が停戦に道を譲る選択肢を排除するのは、賢明ではないでしょう。


編集部より:この記事は「野口和彦(県女)のブログへようこそ」2022年9月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「野口和彦(県女)のブログへようこそ」をご覧ください。