エリザベス女王の葬儀には両陛下は参加されるのだろうか? 戴冠式はどうされるのだろうか? という日本の皇室にとって頭の痛い問題が生じた。
2021年4月9日にフィリップ殿下が逝去されたときは新型コロナ禍で家族葬だったし、2022年3月29日に行われたウェストミンスター寺院で追悼式典には、親戚であるヨーロッパの王族だけが呼ばれた。
エリザベス女王の葬儀は二週間以内に行われるようであって、ローマ法王ヨハネ・パウロ二世以来の、空前の参加者が見込まれる。安倍首相の葬儀とどちらがとかいう愚か者がいるが、15か国の国家元首で70年も在位されたのだから、国家元首でない安倍元首相と比べるのがおかしい。
また、戴冠式はエリザベス女王のときは、王位継承から4か月後だったから、来年の年明けになるのではないか。
もちろん、上皇陛下ご夫妻も出席したいだろうが、現国王だから、両陛下が出席されるのが普通だろう。
ところが、両陛下は新型コロナ禍以来、地方公務をすべて断っておられる。秋の諸行事も出席できないむねを伝達済みで、地元ではがっかりしていると聞いている。
出席者などで感染が広まるのを危惧されて避けておられる(都内の行事は出席されているのでそういうことではなさそうだ)、自分たちへの感染を避けられている(愛子様は大学に通学しない理由として両親に感染させるリスクを避けたいと仰っている。皇后陛下はワクチンを接種されていないようだ)、皇后陛下の体調のいずれかのようだが、いずれにせよ、地方公務が無理なのであるから、より負担が大きい海外公務は難しい。
しかも、国内では皇后陛下の体調の急変にいつでも対応できるように準備しているが、海外では難しく、それが皇位継承直前のフランス公式訪問を直前になって断念され皇太子殿下(当時)だけで行かれた理由だったようだ。
となると、陛下単身という公算が大きい。愛子様がご一緒にという案もないわけではないが、大学に三年間、通学をいっさいされていないわけだから海外なら良いというのは常識的でない。
そうなると葬儀は上皇陛下ご夫妻という案もありうるが、両陛下ともに体調があまりよくないようだ。そうすると、皇嗣殿下ご夫妻というのも一案かもしれない。葬儀は陛下が単身で行かれて、戴冠式は皇嗣殿下という組み合わせもありうるかもしれない。
私としては、以前から提案しているのだが、陛下と悠仁殿下という組み合わせも検討して欲しい。
悠仁殿下の帝王教育は、紀子様の奮闘でかなりの水準で進んでいるようだが、やはり、陛下のお側でなさりようをじかに目にすることが大事だ。かつて、ベルギーのボードワン国王は、甥の現フィリップ国王を海外訪問などにつれておられた。皇后陛下は国際人としての成長の最良の先生なのだから、一週間に一日くらいは、一緒に過ごされるべきだと思う。
しかし、英国の葬儀や戴冠式はともかくとして、皇后陛下の体調が急によくなるわけでもないし、また、回復したからといって無理をなされることは避けるべきである。
一方、皇室外交や地方公務が低調であることは、外交面からも国内で皇室のプレゼンスを高めるためにも由々しき事態である。
私はご即位の前から提案しているのだが、国民にしっかり説明して、皇后陛下の無理のない御公務のスタイルをつくること、そして、陛下の単独御公務やほかの皇族の方の上手な分担のあり方を令和流の皇室のスタイルとして工夫するべきだと思うのだ。
なお、皇室の状況については、「家系図でわかる 日本の上流階級 この国を動かす「名家」「名門」のすべて」、皇位継承について安倍元首相がどう考えておられたかについては、「安倍さんはなぜリベラルに憎まれたのか – 地球儀を俯瞰した世界最高の政治家」で詳しく書いた。
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