ウクライナ軍がロシア軍に対して攻勢をかけ、形勢が逆転しつつあるという見方も広がっています。ゼレンスキー大統領は、同国南部と東部の1000平方キロメートル以上の領土をロシア軍から奪還したと発表しています。
ウクライナ政府によると、ウクライナ軍は、5カ月にわたるロシアの占領を経て、ハルキウ州の軍事的要所であるイジュームに進駐したとのことです。ウクライナ高官は、ハリコフ地方を通るロシア軍の「大動脈」を遮断したと述べています。ウクライナ軍は、ドネツク地方とルハンスク地方の間で、ロシア軍防衛に対する新しい戦線を張っているとも伝えられています。
一方、ロシア軍は、イジュームから撤退することを明らかにしています。ロシア国防省は、ここ数日のウクライナ軍の優勢に対して、「ロシア軍を再編成し、ドネツク地方に進軍することが決定された」と発表しています。
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戦線を50キロ以上押し戻しました。ロシア軍は虚を突かれたようです。
ロシアのヘルソンへの攻勢が注目されていましたが、そこへ注目させることが、ウクライナ軍による陽動だったという見方もあります。
非常に練り上げられた作戦だったようです。
これはソ連の得意とする戦術だったという指摘もあります。
ウクライナ軍の人事が功を奏したという指摘もあります。
しかし、今後の展開は予断を許さないようです。
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2月24日から始まったロシアによる大規模な侵攻で、首都キエフを含むウクライナの多くの都市が破壊されました。
しかし、100日後の今、侵攻はモスクワが期待したような軍事的な成功には至っていません。ウクライナ中央部でのロシアの軍事作戦が失敗した後、戦闘の大部分は東部に移っています。
一方で、何百万人もの難民がウクライナから近隣諸国に逃れています。また、アメリカ、欧州連合(EU)、その他の西側諸国は、ロシアの行動に対して制裁を展開しています。
ロシアは昨年来、ウクライナ周辺に数万人の兵士、装備、大砲を集結させ、軍事力を強化してきました。数年にわたる対立は、冷戦以来、ヨーロッパで最大の安全保障上の危機を引き起こしました。