晴海フラッグの次にくるのは「三田ガーデンヒルズ」?

東京オリンピック・パラリンピック選手村跡地に建設されている晴海フラッグ。2024年の完成予定ですが、ここにきて知名度の高さと相対的な割安感から、人気が過熱しているようです。

私が購入したのは、まだ東京オリンピック・パラリンピックの前で、それほど人気が無く、倍率も高くはありませんでした。

東京23区では多数の新築マンションが建設されていますが、晴海フラッグのように名前を聞いて場所がすぐ思い浮かぶ物件はそれほど多くありません。

逆に言えば、そのような誰でも知っている「ランドマーク物件」は、購入者からの人気が高い割に数が少なく、プレミアムがつくことになるのです。

かつて、晴海フラッグと同じようにランドマーク物件として人気を集めたマンションが広尾ガーデンヒルズです。

1983年の完成で、築年数は来年で40年になります。新築時よりも現在の価格の方が高いという驚異的な人気を保っているヴィンテージマンションです。

その「ガーデンヒルズ」シリーズとして三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスが38年ぶりに開発を進めるのが、三田ガーデンヒルズです(写真)。1,000戸を超える大規模マンションが麻布十番駅から徒歩5分の広大な立地に造られます。

晴海フラッグ同様、新しいランドマーク物件として人気化する可能性が高いと思います。広尾ガーデンヒルズ同様に資産性の高い物件ではないでしょうか。

ただ、晴海フラッグとの大きな違いは価格帯です。晴海フラッグは坪単価300万円台が中心でした。三田ガーデンヒルズはまだ価格発表されていませんが、周辺の物件価格を見ると、おそらく坪1,000万円を超えてくるはずです。晴海フラッグの3倍以上です。

20坪(66平米)でも2億円を超える超高額物件になります。しかも、第1期の販売では、80平米以下の物件は無いそうですから、価格は最低でも3億円前後になりそうです。
ここまで高いと感覚が麻痺してしまい、晴海フラッグが安く見えてくるから不思議です。

この価格帯の物件を果たしてどれくらいの人が買うことができるのか。もしかしたら購入者の多くは外国人になるかもしれません。

年末に向けて販売が開始されるそうです。どのような値付けになるのかも注目です。もし割安な価格で発表されれば、買いたいところですが、ここまで大きな資金調達にはかなりの勇気が必要です。まずは、再来年完成する晴海フラッグの支払いをしっかり準備したいと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年9月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。