統一教会に「解散命令」は出せるのか?

アゴラ編集部

野党の合同ヒアリングで、文部科学省が「旧統一教会は裁判所に解散命令を請求する要件を満たさない」と説明しました。

裁判所による解散命令は、次の事由に該当すれば、文部科学省と検察官の請求で行えます。

  • 法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。
  • 宗教法人法第2条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと。

具体的には「役職員が刑事罰を受けたこと」が裁判所に対する解散命令請求の要件ですが、これに対して野党やマスコミは不満のようです。

しかしこれまで解散命令が出されたのは、オウム真理教と明覚寺の2件だけ。いずれも刑事事件で、教祖が有罪になっています。

これについては「解散請求は文化庁の裁量でできる」という批判もあります。

「刑事罰」という基準は、法的に決まっているわけではないが明確です。民事事件までハードルを下げると、他にも詐欺などでトラブルを起こした宗教がたくさん出てきます。

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宗教法人の解散より、個別の違法行為を処罰すべきだという意見もあります。

統一教会は文鮮明の死後、分裂して活動実態がほとんどなくなり、昨年の相談件数も47件で、裁判所に認定されたものは1件もありません。

解散しても法人格と非課税の特権を失うだけで、任意団体としてはやって行けますが、宗教団体にとっては死刑宣告。統一教会の信者にも信教の自由があるのです。

そもそもこの話のきっかけは、統一教会が重大な事件を起こしたことではありません。安倍元首相を殺した犯人が「統一教会を恨んでいた」と供述した(らしい)というだけ。なんでそんな話が、宗教法人の解散理由になるんでしょうか。