60代はリタイアではなく、新たなスタート

日本経済新聞によれば、2022年度中に100歳になる人は4万5141人(前年度比1508人増)になるそうです。

2021年の日本人の平均寿命は女性が87.57歳、男性が81.47歳ですが、100歳以上の人生を過ごす人も、それほど珍しくなくなるということです。

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女性の最高齢は115歳。男性は111歳。どちらの方も明治生まれです。

100歳以上の高齢者は調査を始めた1963年には、わずか153人しかいませんでした。それが、1981年に千人を超え、1998年には1万人を突破しました。今後も増加傾向は続くはずです。

こうなってくると、人生の後半戦の時間が圧倒的に長くなります。リタイヤして20年位で多くの人が人生を終えていた時代から、40年近くの時間が手に入る時代に変わりました。

今や60代はリタイアして余生を過ごす時期ではなく、新しいライフスタイルをスタートさせる「2回目の人生」にすることができるのです。

そのために必要なものは、言うまでもなく健康です。寝たきりになってしまい、自由に活動できないまま生きていても、クオリティー・オブ・ライフは上がりません。健康年齢を引き上げるための準備を若い頃から計画的に行っておくことが大切になります。

また、好奇心を持って取り組むことができる興味の対象も必要です。「もう歳だから」「今更始めても」「年甲斐もなく恥ずかしい」といったやらない言い訳をするのではなく、自分が本当にやってみたいことを勇気をもって始めることです。

ユーチューブやオンライン学習など、学ぶ手段も多様化していますから、何かを始めるハードルはかなり下がっています。

年齢の枠から解放されることで、これからも新しい生き方が実現できる。そう思うと、何だかワクワクしてきました。

※写真は京都で食べた鮎の生春巻きです


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年9月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。