中学受験生を持つ親たちは、そろそろ子どもの模試の成績に敏感になっている時期だろう。
「夏休みにあれだけ頑張ったのに成果が出ていない」
と嘆いている親も少なからずいるはずだ。
合格可能性に目がいくことが多くなるだろうが、模試と本試験とは全く異なるということを忘れてはならない。
多くの受験生が受ける模試は、レベル1からレベル10までの問題を満遍なく出題する。
レベル8以上の問題ばかり出題したらレベル8未満の受験生のほとんどができないので自分の立ち位置がわからなくなる。
レベル1の問題ばかり出題したらほとんどの受験生が高得点をとるので、これまた自分の立ち位置がわからなくなってしまう。
ということで、多くの受験生に自分の立ち位置をわかってもらうためには、レベル1からレベル10までの問題を満遍なく出題することになる(もちろん、模試によってレベルの違いはある)。
ところが本試験はまったく別だ。
模擬試験と同じような出題をする学校もあるが、かなり偏った出題傾向の学校もたくさんある。
「このような生徒に入ってきて欲しい」という姿勢で各学校が入試問題を作成するからだ。
このような姿勢を大学も真摯に学んで独自の入試問題を作成すべきだと常々考えている。
また、11月頃から急激に成績が上がる子どもがいる。
それまで成績が低迷していて親も諦めていたのに、成績が急上昇して(いわゆる)御三家に合格したケースを私は何人か知っている。
ペーパテストの合格の必要十分条件は、「試験当日に合格最低点以上の答案を提出すること」に尽きる。
今からでも集中して取り組めば十分間に合う。
模試の成績が悪ければ、できなかったところをしっかりカバーすればいいだけのことだ。
今後の対策の糧になったと前向きに考えよう。
■
編集部より:この記事は弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2022年10月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。