本物と思える偽造500ユーロ札が検出された
10月6日付にてスペインの代表紙の一つ「エル・パイス」を始め数紙がスペインで500ユーロの偽札の存在が明らかになったことを報じた。その枚数は800万ユーロに相当するものだとしている。
紙面によると、500ユーロの偽札を1枚当たり25ユーロで犯罪組織に販売していたという。犯罪組織はそれを麻薬の支払いに充てていたということらしい。
この偽札の出来栄えは相当にレベルの高いもので、銀行の窓口でも偽札とは見破られなかったそうだ。
この偽札作成の主犯者は4人。彼らはバレンシア郊外にあるピカセン刑務所で知り合った。アルベルト・Tは偽札の偽造そしてホセ・G.S.は偽硬貨のそれぞれ専門家。ガブリエル・J.C.はグラフィック・アートのデザイナー、それにロジャー・J.T.の4人だ。
彼らに加えて、マレングレン・Xという人物が参加。この5番目の人物はアルバニア人で偽造500ユーロを自国に発送していた。その額は1万ユーロに相当するもので、それが摘発されて同刑務所に収監されていた。
マレングレン・Xはアルバニアの麻薬組織から40万ユーロを融資してもらっていた。偽造の印刷機、用紙、特別インクは中国から入手する為だった。
2019年に偽造500ユーロ札が見つかったのが事件の発端だ
この偽造事件の捜査を開始する動機となったのは、2019年にスペインの異なった地域で偽造500ユーロ札が摘発されたことだ。特に、それがバルセロナで多く摘発されていた。
捜査に拍車がかかったのは、昨年8月14日にバルセロナ県の都市セルベリョーの住人が同市の造園地区でリュックサックを発見。その中に多量の500ユーロ紙幣が入っていたとカタルーニャ州警察に届け出た。それを警察の方で調べてみると435万500ユーロに相当する偽造500ユーロ札だったということが判明。
この偽造紙幣の出来が非常に良く、それが見つかった二日前にカタルーニャ州で電気自転車を購入した際に使用されていたことが判明。その紙幣を使った人は一時的に拘束されたが、その後の取り調べてこの紙幣の偽造者とは全く関係ない人物だと判明いて釈放された。
しかし、この偽造紙幣は2009年にバレンシア県のレアル・デ・ガンデシア市で偽造されていたものと同一だと判明して上述した5名がかかわっていたのが明らかにされたというわけである。
彼らは2020年に釈放されてまた上述した40万ユーロで偽造紙幣にとりかかろうとしていたが、コロナ禍のパンデミックで中国から印刷機などが取り寄せられなくなり、一時的に新たな偽造に取り掛かるのを中断していたというわけである。