飢餓と疫病を惹き起こす世界政府が誕生する:『人類9割削減計画』

こんにちは。

本日、11月18日(木曜日)に私の最新の著書、『人類9割削減計画』がアマゾンで先行発売となり、22日ごろから全国の書店でもお買いいただけるようになります。

また、最新の実績見込みでは今月の15日、おととい世界総人口は80億人を突破した可能性が高いと言われています。

そこで今日は、この本の概要をご紹介するとともに、出版を記念しておこなわれるシンポジウムでの私の講演内容の予告編的な文章を書かせていただきます。

Leontura/iStock

先進国エリートに根強い人口過剰論

もともと先進諸国の知的エリートたちのあいだには、「地球上に存在している人間の数は多すぎる。しかも、その大半は経済的思慮が浅く、どんどん子どもを産んでしまう発展途上国や最貧国の人口増加がもたらしたものだ」という考えがあります。

マイクロソフトの創業者であり、現在はむしろビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の運営に力を注いでいるビル・ゲイツは、2010年の講演で次の「方程式」を使って、二酸化炭素排出量の削減を訴えていました。

問題は、この3つの掛け算記号でつながれた4つの変数のうち、どれかを極限までゼロに近づけないと、二酸化炭素排出量の拡大によって地球上の全生命を危機に陥れることを防げないと主張していることにあります。

つまり、彼にとって人口も、モノやサービスも、それらをつくり出すのに必要なエネルギーも、エネルギーを燃やせば出てくる二酸化炭素も、どれでも極限までゼロに近づけることができれば、地球は救われるという発想なのです。

そこには、「さすがに人口を大幅に削減するのは倫理的にまずいのではないか」といった顧慮が働いている形跡はありません。二酸化炭素の削減がいちばんやりやすそうだから二酸化炭素に的を絞ると言っているのです。

ゲイツの言うとおり二酸化炭素削減はやりやすいのか?

石油・石炭・天然ガスといった化石燃料を全廃して、太陽光とか風力とかの燃焼過程を使わない発電法に切り替えれば、かんたんに二酸化炭素排出量は下がり、温暖化の危機は回避できるというのですが、ほんとうでしょうか?

まったくの絵空事だと思います。

その理由は、次の表に列挙するとおりです。

ここでとくにご注目いただきたいのは、たかだか3~4年前には20~35%と推定されていた太陽国・風力発電の平均稼働率が、今では10~20%とさらに低く見積もられるようになったことです。

もちろん、こうした「再生可能エネルギー」発電を普及しようとしている人たちが、意図的に実際より高めの推計を出していたということもあるでしょう。

ですが、私はそこに自然を甘く見た人間たちの傲慢さを感じます。太陽光も風力も自然の恵みに全面的に依存した発電法です。そして、人類は日照時間を長くすることも、風をなるべく発電しやすい風力と風向で起こさせることもできません

天然資源を豊富に持っている国には、「資源国の呪い」がかかっていると言われることがあります。天然資源はいちばん採掘しやすいところから掘り出しはじめて、徐々に条件の悪いところに移行せざるを得ません。

つまり、人間の努力に依存した生産活動ならならますます効率を高めて行けるのに、天然資源の存在に依存した生産活動はだんだん効率が低下するのです。

太陽光発電も、風力発電も、まだ本格普及にはほど遠い段階なのに、この「資源国の呪い」にもろにぶち当たり、稼働率の低いところにも立地せざるを得なくなっているのです。

「再生可能エネルギー源」依存度の高い国ほどちょっとした天候不順でも大規模で長期に及ぶ停電が起きたり、電力料金が跳ね上がったりしています。

人類全部がこんなにあてにならない発電法に頼るようになったら、20世紀に入ってからはほとんど見られなくなった何千人、何万人という規模での凍死者の出現や、農作物の収穫量は平年並みでも運搬手段が使えないための餓死者が大勢出るといった事態が懸念されます。

そもそも、口先では「自然を保護する」と言っている人たちが、景観という意味でも野生動物との共存という意味でも、どんなに大規模な自然破壊をしているかは、次の2コマ漫画がみごとに描き出しています。

なお、左下隅に1羽は全身ですが、1羽は無残に首だけが残る鳥の死骸があるのは、決して意味のない描写ではありません

野鳥や水鳥にはきらきら光りながら旋回するものを目がけて突進する習性があり風力発電機はまさに野鳥と水鳥の大量虐殺装置になっているのです。

ゆったりした広さの牧場で放牧されている家畜はメタンやアンモニアを排泄するから公害発生源で、太陽光発電や風力発電なら、二酸化炭素もメタンもアンモニアも発生させないからクリーンエネルギーだという発想は、どこか根本的なところで反自然的なのではないでしょうか?

二酸化炭素=悪者説の根拠は?

さて、メタンやアンモニアと比べてもとくに大物の悪役とされている二酸化炭素は、ほんとうに人類ばかりか全動植物を危機に陥れる物質なのでしょうか?

まず、温暖化が悪いことだと決めつけた上で考えても、二酸化炭素はせいぜい脇役程度の「悪事」しか働いていません

温室ガスの90~97%は水蒸気で、二酸化炭素はたった1~2%なのですから、温暖化が罪だとすればどう考えても主犯は水蒸気でしょう。

それ以上に重要なのは、もし温室ガスが大気として地球を覆っていなければ、地球の平均気温はマイナス18度と、ほとんどの動植物が生育できないほど低かったはずだという事実です。

しかも温室ガスの9割以上を占める水蒸気は、絶妙な仕組みで地球の平均気温が上がりすぎも下がりすぎもしないように調節してくれています。

地上の気温が温かくなると、水が蒸発して水蒸気となる量が増えます。上空に昇った水蒸気は細かい氷の粒になって、その集団が雲を形成します。

雲は上空から見るとまっ白なので、太陽からの輻射熱を反射し、地上に届かないようにして、気温を下げるわけです。

気温が低くなると水蒸気の発生量が減り雲の形成も弱まって、地上に直接届く太陽からの輻射熱の量が増え、気温が上がります

化石燃料を燃やすことによる人為的な二酸化炭素排出量の拡大が、この地表を覆う雲の量に影響を与えるほど大きな気候変動要因になっている兆候はありません

二酸化炭素悪玉説は植物の光合成作用も無視

もうひとつ、二酸化炭素悪玉説にはもっと根本的な問題点があります。

それは、地球上に繁茂している植物のバイオマス(生命体としての質量)は、人間やその他の動物よりはるかに大きく、植物が太陽光を利用して二酸化炭素と水を自分たちの体をつくる炭水化物と酸素に組み換え、酸素を放出してくれる機能は健在だということです。

健在どころか、暖かく二酸化炭素含有量の多い温室で育てれば農作物の収穫量は上がるのですから、空気中の二酸化炭素含有量が大きいほど、そして温暖化が進むほど植物の生育は順調になり農作物の収穫量も増えるのです。

ところが、長年にわたって二酸化炭素悪玉説を唱えてきた人々は、最近では化学肥料も全廃すべきだと主張しています。

二酸化炭素は植物にとって主食です。そして、窒素系の化学肥料はもっとも栄養価の高い副食です。

この2つの栄養源を同時に大幅に削減しようというのですから、彼らは食料不足によって世界人口自体を大幅に削減しようとしているとしか思えません。

化学肥料を全廃することがいかに大きな人口削減効果を持つかは、次のグラフが赤裸々に示しています。

『人類9割削減計画』では、いったいどんな人たちが人類の救世主気取りでこんな暴挙をおこなおうとしているのか、このあまりにも大掛かりな陰謀にどう立ち向かうべきかを書きました。

ぜひ、ご購読ください。

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また、本書の出版記念講演というかたちで、温暖化とコロナに流されない市民の会主催の「温暖化とコロナの真相を探るシンポジウム」に参加させていただきます

この機会をおつくりいただいた世話人代表の一柳洋さん、同副代表の青柳貞一郎さんに深くお礼を申し上げます

またシンポジウム後半で会場からのご質問に答えるパネリストとしてご参加いただく植草一秀さん、山口雅之さんにも、厚くお礼を申し上げます

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編集部より:この記事は増田悦佐氏のブログ「読みたいから書き、書きたいから調べるーー増田悦佐の珍事・奇書探訪」2022年11月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「読みたいから書き、書きたいから調べるーー増田悦佐の珍事・奇書探訪」をご覧ください。