自民党税調で、来年10月から導入される予定のインボイス(適格請求書)方式が、売り上げ1億円(?)以下の業者について延期されるという報道が出てきました。
【日経特報】小規模業者、インボイスなしでも税額控除 政府・与党https://t.co/cABcbX7qVm
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) November 18, 2022
インボイスは、本来は1989年の消費税導入のとき義務づけられる予定でしたが、小売店などが強硬に反対し、やっと2023年10月から導入することになりました。企業の経理担当者は、もう登録をすませてインボイスの準備をしていました。
政府「小規模業者からの仕入税額控除はインボイスなしでも控除できます」
経理実務者↓ pic.twitter.com/cBm3iQzQ7q— フジヤマ@上場経理マン (@accout_taks) November 18, 2022
最大のねらいは、小売店の仕入れに消費税を払った場合に、払ったという証拠(インボイス)なしで、帳簿だけで税額控除できるという話です。
これはいわゆる売上1000万以下の免税制度とは全く異なるので注意。
小規模事業者が少額取引をした場合は適格請求書がなくても税額控除できるというもので、発行事業者への登録と納税を前提にしている。
小規模業者、インボイスなしでも税額控除 政府・与党: 日本経済新聞 https://t.co/c67Zvi6Vu7
— 柴犬会計士@図と絵で解説する会計士Youtubr (@shibainu_cpa) November 18, 2022
インボイスについては1年以上前からネトウヨなどが反対キャンペーンを張り、野党(維新を除く)もそれに便乗しています。
大半の企業は消費税を納税しているのに、一部の企業だけは、請求書に「消費税10%」と書いて、請求しているのに、それを納税せずに、自分の利益にすることができる制度を無くするインボイス制度。免除事業者は一種の上級国民になっている。
— デービッド・アトキンソン David Atkinson (@atkindm) November 18, 2022
これは自民党お得意の「財務省がきびしい建て前を言って自民党がゆるめてやる」という取引でしょう。
本日、自民党中小企業政策調査会インボイス対策小委でインボイス議論。私の発言をきっかけに導入反対や延期の意見続出。現経済状況や準備状況、制度設計も雑で実施不可能。岸田政権のフリーランス支援の政策とも矛盾。まずは2年延期を取りまとめたい。本丸の年末の税調での議論に向けて大きな流れに! pic.twitter.com/Vlq4AyjWWM
— 山田太郎 ⋈(参議院議員・全国比例) (@yamadataro43) November 11, 2022
経済学者は批判していますが、少数派のようです。
インボイスが骨抜きになりそう。不公平は温存される。
何年も前から予告していた制度改正なのに、優遇を受けたい企業団体が政治運動をし、サボタージュも功を奏したようだ。ごねたもの勝ち。https://t.co/MKm5uq6FZU— 戯画兎 (@giga_frog) November 18, 2022
インボイスは金の流れをガラス張りにして脱税を防ぐVATのコア。本来は1989年に消費税を創設したときやるべきだったが、ガラス張りをいやがる業者と政治家が抵抗した。
35年かかってやっと実施にこぎつけたのに、土壇場で骨抜き。何のための消費税だつたのか。https://t.co/zOf09GFI1A— 池田信夫 (@ikedanob) November 18, 2022
消費者から預かった税金を税務署に納めないで、業者がポケットに入れる益税を認める日本の消費税はおかしい。それを是正するインボイスに反対する業者に自民党が賛同するのは困ったものです。
私も零細個人事業主だが、消費税込みの請求書を客先に送付し、確定申告時は受け取った全額を売上として計上している。どう考えてもおかしいよな、と思いながら申告している。たかが消費税分の収入が減るだけ、本来は懐に入れてはいけないお金だ。まともなことをやろうとするとできないのが日本という国 https://t.co/tbFd0tcu8u
— 素顔に戻ろう/新潟市内を素顔で歩き回る変人の一人 (@tomtomtomy3) November 18, 2022
消費税は透明で公平なのが最大のメリットです。社会保障の負担が重くなる時代に、負担の不公平が大きい社会保険料にこれ以上、頼ることはできない。その財源である消費税に不公平を作り出そうとする人々は、結果的には税制を空洞化し、自分が貧しくなるのです。