大衆居酒屋が店内の写真撮影禁止にする理由

Yusuke Ide/iStock

昨日ランチに出かけた赤坂にあるカジュアルな居酒屋はお昼の鉄火丼(写真をブログでみる)が人気です。グルメサイトの評判が良かったので、食べに行ってみたのですが、店の入り口に写真撮影禁止の張り紙がしてありました。

グルメサイトにはたくさんの写真が掲載されていますが、なぜ撮影禁止なのか?何だか不思議な気がしましたが、張り紙のルールに従って撮影は控えることにしました(写真はグルメサイトから引用)。

鉄火丼は1,300円で、質の良いマグロが大量にのっていました。「価値>価格」のお値打ちランチで、人気の理由が良く分かりました。

銀座にあるミシュラン三つ星のお寿司屋さんも、同じように撮影禁止となっていました。お寿司の握りたてを食べて欲しいので、写真を撮るよりも早く口の中に入れてほしいのと、お料理の盛り付けやアイディアを同業の飲食店が真似をすることが多く、それを防止するためと語っていました。

確かに、お料理は通常作りたてが1番おいしいので、なるべく早く食べてほしいと思うのが料理人の心境だと思います。写真を撮るだけではなく、会話に夢中になっていて出された料理にいつまでも手をつけないのも困ったものです。

料理の盛り付けもそのお店のオリジナリティーですから真似をされたら困ると言う気持ちもわかります。

今回出かけた居酒屋は、ランチの営業は親方が1人で対応していました。13時過ぎにお店に行ったのですが、5席のカウンターと小上がりはお客様で満席でした。しばらくすると入れましたが、その後も次々と人が入ってきます。

メニュは鉄火丼だけに絞り込み、ご飯のサイズだけが選べるようになっています。

シンプルなメニュですが、お茶とおしぼりを出して、丼ぶりを盛り付け、食べ終わると会計と片付けがあります。これを1人で回しているのは、かなり大変そうに見えました。

最近はインスタグラムなどのSNSに投稿された写真を見て、飲食店を選ぶ人がいます。

ここまでの人気店になってしまうと、お客様の数を増やす必要はなく、むしろ常連さんで満席になっていた方がオペレーションに負担がかからなくなってくるように思いました。

撮影禁止というのは、銀座の三ツ星の寿司店とは異なる理由で、お客様が多くなり過ぎてさばききれなくなり、既存の来店者にも迷惑をかけるからのように見えました。

どんな理由があるにせよ、それぞれのお店の考え方がありますから、ルールを守り気持ち良く食事をするようにしたいと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年11月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。