あなたのお悩み解決!レポート執筆からコード生成まで可能なChatGPTとは

ホアキン・フェニックス主演の映画「Her/世界でひとつの彼女」は、AIに恋した男性を描いた異色のラブ・ストーリーで話題を呼びました。

あれから8年、今やAIはあなたの心に寄り添う存在にグッと近づいています。

それを実現してくれるのが、ChatGPTです。

ChatGPTは、人工知能の研究開発を手掛けるオープンAIが11月30日に世に送り出しました。オープンAIは、テスラやツイッターの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏や、かつてベンチャー投資会社Yコンビネーターの代表だったサム・アルトマン氏などが2015年12月に設立。非営利団体のオープンAI Inc.の下で、営利団体オープンAI LPが存在します。

マイクロソフトもオープンAIの研究開発に参画し、2019年にはオープンAIに10億ドル出資し、マイクロソフト・アジュールを通じ独占的なクラウド・サービスを提供するほか、2021年からは”アジュール・オープンAI・サービス”を始動させています。なお、マスク氏は2018年2月、テスラが自動運転でAIを活用するにあたって利益相反の観点から取締役を辞任していますが、大口の寄付者として関係を維持しています。

画像:イーロン・マスク氏、ChatGPTを絶賛


(出所:Elon Musk/Twitter)

ChatGPTは一体何かといいますと、自然言語処理技術を使ってユーザーがより自然にコンピューターと会話できるべく、1,750億ものパラメーターを用いた文章生成AIです。

オープンAIいわく「対話を通じ、ChatGPTはフォローアップの質問に答えたり、自分の間違いを認めたり、間違った前提に挑戦したり、不適切な要求を拒否したりすることが可能になる」のだとか。

基本的には、ユーザーの質問に回答したり、レポート物語に執筆してくれたり、翻訳してくれたり、コードを生成したりデバッグしてくれたり、ゲームを作ってくれたり、多岐にわたります。まずはここからサインインして以下の画像が出てきたら、赤枠に質問事項を打ち込めば、回答がでてきます。

画像:質問はこちらから


(出所:OpenAI)

ツイッターで様々な活用例が喝采を浴びる一方で、欠点としてオープンAIは以下を挙げています。

・不正確または無意味な答えを書き込む場合あり
→強化学習(RL/Rainforced Learning)は真実のソースに依拠していない。
→回答に慎重になるようモデルをトレーニングすると、正しく回答できる質問を拒否してしまう
→教師あり学習理想

画像:フレンドショアリング=同盟国や友好国などの信頼できる国同士で供給網を構築することですが、ChatGPTさん、もっともらしく説明しながら、さらっと知ったかぶりをします。


(出所:ChatGPT)

  • ChatGPTは、入力フレーズの微調整や同じプロンプトを繰り返し何度も試行されると学習するだけに回答が変わりやすくなる
    →回答できなかった質問に回答できる場合があるものの、上述したように学習した内容によってバイアスが掛かる
  • 学習データの偏りによって、冗長な文章あるいは回答となってしまう
    →過剰最適化の問題から発生する。
  • 不適切なリクエストを拒否するように工夫しているものの、有害な指示に反応したり、偏った挙動を示すケースあり
    →Moderation APIを利用して、特定の種類の危険なコンテンツを警告またはブロックするものの、当面は誤検出や誤認識が発生することが予想される。システム改善にあたり、ユーザーにフィードバックを求めている。

1952年のカート・ヴォネガット作”プレーヤー・ピアノ”という小説は、自動化によって雇用が失われ、知能によって人々が階級化された近未来の米国を描き、衝撃を与えました。ChatGTPの登場はシンギュラリティが近づくとされる事情も重なり、作業効率化を高めると同時に、AIが職を奪うとの懸念を再燃させています。

これまで人類は産業革命に始まり、コンピューターやスマートフォンの普及に至るまで、テクノロジーに順応して新たな職を生み出してきました。投資の世界でもコンピューター取引やアルゴ取引が広がりをみせているのも事実。とはいえ、生きている人間の生活を豊かにする上で、弊害を修正し精度を高める上で人間の知力が必要とされます。人間が脳を使い続ける限り、時代に適う職が創造されるのではないでしょうか。

metamorworks/iStock


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK –」2022年12月7日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。