ピエール・ガニエール(パリ8区)

ジビエの季節。

「ピエール・ガニエール」の狩猟カルトは、毎年ジビエ心をいたく刺激される。

とりわけ、野うさぎ好きにはたまらなく魅力的。背肉ロティ、腿肉のアラロワイヤル、タルトフイユテに仕立てた3皿構成の野うさぎは、数多いただいてきた野うさぎ料理の中でもベスト3に入るお気に入り。

数年食べてないので、ぜひこれを!と思ったのだけれど、同席者が野うさぎ苦手なため、泣く泣く諦め(二人分料理)、山うずらをチョイス。山うずらちゃんも大好きよ。

めくるめくアミューズ群(隅々にまでおいしさのエッジが効いてる)。

さらにめくるめくよう7種の前菜(あさり、ブロッコリー・カヴィア・燻製ウナギ、エビブイヨン・キカファー、フロマージュブラン・キュウリなどなど)で五感をうっとり&刺激させた後、

ボンジュー、灰色山うずらの幼鳥さん(山うずらは、赤より灰色が肉の風味がいい)。

タイムの枝がパチパチ爆ぜる音をお供にぷっくりしたお腹も露わに銅鍋で良い香りを放つ灰色山うずらちゃん。デクパージュされ、色艶すごぶるよい黄金葡萄とソースと。きゅっと引き締まった肉質と風味に興奮、鼻腔が開く。

内臓ペーストを塗ったトーストの芳醇さにもため息。お口直しは人参のキムチと、マルメロの蒸留酒を香らせた、、なんだった(笑)?

デセールは、2か月前に来た時絶賛したヴァニラのスフレが気になるけど、お腹いっぱい・・・。と言ったら、ちっちゃいのサイズを作ってくれた♪

ライアテア産ヴァニラのスフレ&タハア産ヴァニラのクレームグラッセを口に含み、2か月前の感動再来♪メキシコ産ヴァニラのルクルム、タヒチ産ヴァニラのタルト、マダガスカル産ヴァニラのメレンゲなど、産地別ヴァニラの魅力に溺れ、感動ランチにごちそうさま。

ピエールはほんっとにすごい、すごすぎる。鬼才というイメージが強いけれど、彼の魅力はあくまでもクラシックな味わい。確固たる技術があるからこそ、自由闊達な表現に説得力、つまりおいしさがある。

バレエも同じだなぁ、としみじみ。クラシック出来ないのに自己表現に熱心だったり雰囲気だけで勝負するダンサーは苦手。

彼がパリに拠点を移してから、もう25年くらい?コンスタントに食べ続けてきたけれど、ほんの一時期(どの時期か、食に興味ある人はわかるよね、きっと(笑))を除き、いつも多大な感動をくれる。ピエール・ガニエールは、一生ついていきたいと願っている料理人の一人。


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2022年12月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。