インフレで変わった日本人のお金との付き合い方

Hanasaki/iStock

国内不動産のセミナーを銀座のワインバーで定期的に開催していますが、今年の後半に入って変わってきたと感じることがあります。

それは、セミナーの参加者の申し込みが早くなってきたことです。これは資産運用を始めようと真剣に考え始めた人が増えていることを示していると思います。

変化の原因は「インフレ」です。

これまで日本では、30年近く物価が上昇せず、賃金が上がらなくても生活水準はあまり変わりませんでした。

ところが、コロナウィルス拡大とロシアのウクライナ侵略によって、世界的なインフレとなり、円安も相まって、日本でも物価上昇が始まりました。

もし、物価が4%上昇すれば、保有している資産の価値は4%減ることになります。また給与が変わらなければ、毎月の収入も同じように4%減ってしまうのです。

デフレの時代は、何もしなくても資産の価値は守られていました。ところがインフレの時代になると、何もしなければ気がつかないうちに自分の資産と収入が目減りしていくのです。

このような経済の変化を敏感に感じ始めた人たちが行動を始めたという訳です。

資産運用が難しいのは、絶対に成功する方法が存在しないことです。

そもそも、資産運用とは、リスクを取ることによってリターンを狙う行為です。リスクとは「不確実性」のことですから、不確実なものにトライしなければ成果を得ることができないのです。

とはいえ、その不確実なリスクを出来る限り抑える方法は存在します。また、自分が持っているリソース(資産、信用)を上手に活用することで、成功の可能性を高める事が可能です。

資産デザイン研究所では、年に2回開催している世界の資産運用フェア(写真)でアセットアロケーションを軸にした資産運用の具体的な方法を網羅的に情報提供しています。

それと並行して、銀座のワインバーで国内不動産のセミナー&懇親会も開催しています。1月16日に開催するこちらのセミナーを現在募集中です。

来年以降、さらに資産運用の始める人は増えていきそうです。ようやく自分が働くだけではなく、お金にも働いてもらうことの重要性が認知され始めました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年12月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。