みなさん、あけましておめでとうございます。
どのような年越しでしたか?ゆっくりと良いお正月をお迎えになっていたら何よりです。
さて、年始と言えば一年の目標を考えたりしますよね。あなたはどのような目標を立てましたか?具体的な目標はさまざまかと思いますが、この一年は迷いなく望みを叶えたいものですよね。
迷いは私たちをダメにします。時間を奪い、自信を奪います。仮に同じ目標を持っている人が同じ実力だったとしたら、迷いがない人のほうが行動に無駄がなく、より良い結果を出すことでしょう。
そう、私たちは迷っているとなかなか望みを叶えられません。そこで、迷いなく望みを叶えるために3人の心理療法の大家が残した3か条をあなたに送りましょう。
その1:健全な人は人を傷つけません
これはスイス人の心理療法家、C.ユングの言葉です。
私たちが誰かに傷つけられた時に、あるいは誰かに裏切られたように感じた時に思い出してください。
残念な事実なのですが、この世には人を傷つけることが大好きな人がいます。誰かを傷つけることで自分の存在意義を確認している人たちです。仮に理由もなくあなたを傷つける人がいたとしたら、その人は何かが不健全なのです。その人のことを気にすることも、相手にすることもありません。しつこく傷つけてくるようだったら、然るべきところに訴えてしまいましょう。
逆にあなたが誰かに裏切られたように感じてしまったときは要注意です。私たちの脳は裏切りを感知すると裏切り者探索モジュールというシステムが作動します。このシステムが作動すると私たちはその相手を傷つけたくなるのです。つまり、あなた自身が健全ではなくなってしまいます。
この1年は、人を傷つけない、そして自分を傷つけさせない、これを目標の一つにしましょう。
その2:感情に従いましょう、しかし脳みそも連れていきましょう
これは自己啓発の父と呼ばれるA.アドラーの言葉です。
感情は実は非常に合理的なシステムです。私たちに何が必要か、何が不要で有害かを教えてくれるからです。言い換えれば感情は自分がどこに向かうべきで、どこに向かうべきでないかを教えてくれる羅針盤なのです。
もちろん、必要なものがすぐに手に入るとは限りません。不要なもの、有害なものからすぐに距離を取れるとは限りません。ここで「脳みそ」が必要になります。ここで言う脳みそは「展望と計画性の脳」です。いつ、どのタイミングで、何をすれば、何が起こるのか考える脳があるから望みが叶うのです。
感情に進むべき道を教わり、進み方は脳みそが考える、2023年はこれをあなたの鉄則にしてください。
その3:否定と出会うことが出発点なのです
私たちの多くは私たち自身に対する否定と出会うと、「もうだめだ」「自分はだめだ」などと自分に対して懐疑的になってしまいます。そう、自分自身に対する迷いが生まれるのです。
こんな迷いを抱えていては望みを叶えられるはずがありません。では、どうしたら否定と出会っても迷わずにいられるのでしょうか。
S.フロイトによると、「否定」と出会うことはピンチではなく、むしろチャンスです。否定と出会うから、自分が何をしたら良いのかわかるからです。
否定は多くの場合で不愉快です。私たちの感情は否定を嫌がります。しかし、こういう時ほどアドラーの言う「脳みそ」を使いましょう。否定に出会うということは望みを叶えるためには何かが間違っていた…という役立つ情報を頂いたようなものなのです。
2023年は「否定と出会う、これチャンスなり」をあなたの信条にしてはどうでしょうか。
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3人の心理療法家は数え切れないくらい多くの方の心理療法(心理カウンセリング)を通して、私たちがどう生きれば幸せなのか考え出してくれています。彼らの珠玉の名言には現代をより幸せに生きぬく秘訣が満載です。
私たちは資産形成や資産防衛、税金対策、近くで起こっている戦争、などなど多くの悩み事を抱え、日々迷っています。2023年はそれら一つ一つの課題に頭を悩ませる前に、3人の言葉からあなたの迷いのない生き方を見つけてみてはいかがでしょうか。
僭越ながら、あなたの幸せを願ってこの本を書きました。よかったらどうぞ目を通してみてください。
「人は迷いをどう解きほぐせるか ―フロイトかユングかアドラーか」
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杉山 崇(脳心理科学者・神奈川大学教授)
「心理学でみんなを幸せに」を目指した心理学研究が専門。
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