ファブレス企業というのをご存じだろうか?
工場のような生産設備を自社が持たない企業のことを指す。
典型例がアップルで、世界中の企業がアップルの製品の部品を製造している。
これが可能になったのは、IT技術の進歩だ。
IT技術の進歩によって国際的水平分業が可能になり、垂直的な下請けどころか自社工場すら持たない企業形態が出来上がった。
昨今、日本中を騒がせている強盗団はこれに似ている。
「生産設備を持たない」かのように「実行犯のいない」強盗団だ。
実行犯はSNSで集めているようで、主犯格とは直接つながっていないか、つながっていても極めて限られた範囲のようだ。
特殊詐欺グループが既にファブレス犯罪集団であったが、強盗殺人に至ったというのには驚いた。
強盗殺人の法定刑は「死刑又は無期」だ。
このような重罪の実行犯がSNSで簡単に集まってしまうところに、日本社会の危うさを感じる。
それにしても、主犯格はどうやってターゲットを決めているのか?
殺人まで至らなくとも強盗という重罪を犯す以上、何らかの基準があるはずだ。
家の中に現金や高級品があるということをどうやって調べるのか?
ニュースで防犯グッズを買う人たちを撮影しているが、「防犯グッズを買う人=家の中に現金や貴重品がある人」として狙われないかが老婆心ながら心配になる。
一刻も早い主犯格の逮捕を期待するばかりだ。
編集部より:この記事は弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2023年1月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。