いつかは広く知られるようになるとは思っていたが、それが文春砲だったとはーー。世田谷区の保坂展人区長の公用車デタラメ運行についてである。
《税金のセコい使い道》「区内のギリギリで車を降りて…」世田谷区長・保坂展人の涙ぐましい公用車“不適切使用”疑惑の裏にある「世田谷 vs. 狛江」の複雑な2拠点生活#文春オンラインhttps://t.co/TPOdA4SMUM
— 文春オンライン (@bunshun_online) February 7, 2023
保坂区長の世田谷区(届け出上の自宅)と狛江市(家族と同居している、そもそもの自宅)に関してはもとより、区長としての「公務」と身内の選挙応援などの「政務」を混同した公用車使用については、これまで議会で問題視されてきた。
私ひえしまは議場において、区がそもそも公用車の使用基準を文書化しておらず、区民に公表していないことを指摘し、お手盛り運行をやめるよう強く訴えた。その結果、区はそれを受け入れ、昨年10月1日付で使用基準が施行された(コチラ)。
ということは、区長就任以来、約12年もの間、ルールなどあるのかないのかわからないまま、これまで週刊誌に指摘されているようなデタラメな運行を行ってきたということである。私に指摘されて作ったこの使用基準も、読んでみれば抜け穴だらけで、区民が納得できる代物ではない。しかも、同時に提案した区長以下、区職員の公務と政務に関わるガイドラインの策定については、あっさり拒否された。実はこちらの方が問題の根は深いと思っている。
というのも、これも私が議会で取り上げたが、特定政党の政治資金パーティに、名代として副区長を派遣した件(コチラ)は、まさに公務と政務を一緒くたにしている好例である。この節度のなさこそが、保坂区政の本質である。例を挙げればきりがない。
たとえば、記事にもある通り、「区長退職金を廃止する」と公約に掲げておきながら、当選後はあっさり撤回して貰っていること。記憶に新しいところでは、これまた大失敗に終わった無症状者へのPCR検査「世田谷モデル」騒動。はじめは、「いつでも、誰でも、何度でも」とメディアでぶち上げ、92万区民に実施するかのように思わせておきながら、対象が2万数千人のエッセンシャルワーカーにいつの間にかすり替わった。
豹変したことを区民に説明せよ、と迫っても、頑なに行わない区長の不誠実な態度は、いったいどういう了見なのか。正義を愛する市民活動家から身を起こしたのは良いとしても、92万区民の頂点に立つ権力者に成ったとたん、地金が出てきておかしな方向に走ってしまったのではないか。
と思っていたところに、今日発売(2月16日号)の週刊新潮の見出しは、「役所に王国を築いていた リベラル「保坂展人」世田谷区長の堕落」である。
なるほど、保坂区長は王様か何かになったつもりなのかもしれない。