2月8日、当社(代表者 池田信夫)のLegal AI株式会社(代表者 渡部薫)に対する業務委託料請求訴訟(令和4年(ワ)第18935号)について、次のような判決が東京地方裁判所(谷地伸之裁判官)で言い渡された。
- 被告(Legal AI)は、原告(アゴラ研究所)に対し、55万円を支払え。
- 被告の反訴請求は、いずれも棄却する。
- 訴訟費用は、本訴反訴を通じて被告の負担とする。
当社は2021年7月に被告と業務委託契約を結び、その契約にもとづいて7月分の業務委託料55万円を受け取ったが、被告が8月分を支払わないため、これを支払うよう2022年2月、東京簡易裁判所に少額訴訟を提起した。
ところが被告(当初の代表者は佐藤塁)は答弁書も提出せず、逆に渡部は慰謝料など160万円を請求する反訴を提起して、訴訟を東京地裁に持ち込んだ。渡部は他にも同一の相手に多数の訴訟を起こしている訴訟マニアであり、それを当社が指摘したことを逆恨みしたのである。
しかし法人が慰謝料を請求することはできない。それを東京地裁に指摘され、渡部は慰謝料請求を取り下げた。残った反訴は、すでに支払った7月分の業務委託料を返せという荒唐無稽な請求だけで、これも今回、裁判所に棄却された。
以上のように単なる業務委託料の未払いを1年にわたって争い、少額訴訟を本訴訟にするため反訴を提起した渡部の手口は悪質である。Legal AIは本人訴訟を支援する弁護士を登録させて登録料を取るサービスだが、本人訴訟がこのような訴訟マニアに悪用されると、裁判所にも社会にも大きな迷惑がかかる。
本件は当社も本人訴訟で争い、全面勝訴した。幸いLegal AIの業務は停止しているようだが、このような濫訴を誘発する悪質なサービスに登録しないよう弁護士のみなさんに呼びかけたい。